維新最高幹部の支援者医師が1億円を荒稼ぎ 「異例のワクチン集団接種」の裏側

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大阪以外の都市でこんなことが行われたら…

 維新のイメージカラーである緑の服を着た人たちが、カメラを向けられると、ガッツポーズのような仕草をしたり、目を細めて笑顔を作ってみせる――。昨年夏、そんな動画がアップされたのは、大阪維新の会の創設メンバーで日本維新の会・参院国対委員長を務める東徹参院議員のツイッターである。維新の最高幹部の一人である東議員のSNSに緑の服を着た維新の市議や区議が登場しても何の不思議もないのだが、問題はその場所。動画が撮影されたのは、新型コロナウイルスワクチンの大型接種会場なのである。動画ではワクチン接種者の顔もはっきり写っている。

「ワクチンを打つか打たないかといったことはかなり慎重に扱わなくてはいけない個人情報で、非常にセンシティブなものです。そのためほとんどの接種会場で撮影は禁止となっています」(医療従事者)

 別の動画には会場で「ボランティア」を行っていると称する東議員本人も登場。

「ワクチンの接種会場で政治家がボランティアをするなど論外で、動画を撮ってツイッターにアップまでしているとなると、これは完全に政治的アピール。大阪以外の都市でこんなことが行われたら批判の嵐になるはずです」(地方自治体職員)

「極めて異例」

 ワクチン接種会場となったのは、大阪市住之江区にある複合施設「オスカードリーム」の2階で、接種を行ったのは同区にある「ただクリニック」である。このクリニックの診療科目は「内科・胃腸科・整形外科・肛門科」であり、コロナなどの感染症は専門外。診察室も2部屋のみで、一般的な個人経営クリニックの規模だ。

 東議員のツイッターにアップされた接種会場の動画をさる医師に見てもらうと、

「うわあ……。これはすごい人数ですよ。これがクリニック主催なんですか? 自衛隊の大規模接種会場と言われても疑わないでしょうね。まず、1軒のクリニックだけで主催できる規模ではありません」

 政府関係者が言う。

「大阪市内には、これ以外にクリニックが独自に大型接種会場を設置した例はありません。東京都内においても、クリニックが大型接種会場を開設した事例はなく、『ただクリニック』の件は極めて異例です」

 何より疑問なのは、規模が決して大きくない「ただクリニック」が、なぜ大型接種会場を開設するほどの大量のワクチンの供給を受けられたのか、という点だ。

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