維新最高幹部の支援者医師が1億円を荒稼ぎ 「異例のワクチン集団接種」の裏側

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

「ただクリニック」から毎年寄付が

 接種会場で東議員が「ボランティア」をしていたことは偶然ではない。公益財団法人「政治資金センター」がネット上で公開している東議員の政治資金収支報告書を見ると、「ただクリニック」の多田均院長名義で毎年、寄付がなされており、20年までの6年間で計33万円。多田氏の父親と思しき人物からのものもあわせると、計71万円が寄付されている。

 さらに、である。

 接種会場となった「オスカードリーム」を運営するのは「キンキエステート」という不動産会社。ここの代表取締役は19年、20年に合計15万円を東議員に寄付し、ブログでは同議員を応援している旨、堂々と記していたのだ。

「小規模クリニックが2万回分の供給を受けるなんて、何かウラがあるとしか思えません。ワクチンの分配はまず国が都道府県ごとの量を決め、さらに都道府県が各市区町村の量をある程度決めます。この過程はあまりオープンではなく、ある意味ブラックボックス的に決まっているので、政治的介入の余地はあるでしょう」(先の地方自治体職員)

 大阪市内にある豪壮な自宅に多田院長を訪ねたが、

「結構です。結構です」

 と繰り返すばかり。

 一方、東議員に「ただクリニック」へのワクチン大量供給について聞くと、

「まっっっっっったく関係ありません。私に介入の余地はありませんよね」

 しかし、東議員の支援者が運営する「オスカードリーム」が接種会場となったことについては、

「私は『こういう所がありますよ』と多田さんにアドバイスしたくらいです」

 と、関与を認めた。

他にも疑惑が

 ワクチン供給に関して東議員や維新の関係者による介入があったか否かを問うと、大阪市はこう答えた。

「お問い合わせの事実はございません」

 ちなみに、大阪市のワクチン行政を巡る疑惑はこの一件にとどまらない。

「大阪市のワクチン集団接種会場には『扇町プール』や『やすらぎ天空館』などがありますが、その中で唯一の民間施設が『心斎橋BIGSTEP』です。その関連会社である『三栄建設』は大阪維新の会や日本維新の会本部が入るビルのオーナーで、大阪維新の会のパーティー券を毎年40万円購入。代表取締役は『経済人・大阪維新の会』の副会長を務めています」(大阪市政関係者)

 大阪市は三栄建設に対して月額約580万円の会場使用料を支払うという契約を交わし、実際に使用料が支払われたが、

「その後、同社は大阪市に対して、使用料相当額を寄付。両者の癒着を疑う声が市民から上がり、疑惑追及のための公文書開示請求などがなされたことが影響したようです。ちなみに、『心斎橋BIGSTEP』が接種会場に選ばれる過程で、松井市長からの指示を示唆するメールが担当者間で交わされていたことが分かっています」(同)

 やはり“何でもあり”。

 その状況を作り出した張本人ともいえる橋下徹・元大阪市長は、ウクライナに降伏を勧めるような発言で物議を醸しているが、それよりもまず、冒頭で触れたMBSの調査結果について考えを述べるべきではなかろうか――。

週刊新潮 2022年3月24日号掲載

特集「食い物にされる『大阪ワクチン行政』 維新『最高幹部』の支援者医師が『接種2万回』濡れ手で粟の1億円!」より

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

あなたの情報がスクープに!

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。