維新最高幹部の支援者医師が1億円を荒稼ぎ 「異例のワクチン集団接種」の裏側

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約2万回分の供給

 掲載の表をご覧いただきたい。これは大阪市の基本型接種施設となった医療機関に対する、昨年5月24日から10月4日の週のワクチン供給量を示す表である。「ただクリニック」が同期間に1万9890回分(17箱)の供給を受けているのに対し、他クリニックは多い所でも9360回分(8箱)となっている。

「ワクチン接種を行う医療機関は基本型接種施設とサテライト型接種施設に大別されます。『基本型』は大量のワクチン供給を受ける代わりに、近隣のクリニックなどの『サテライト型』に分配することが前提の施設です」

 と、先の地方自治体職員。

「全国のほとんどの自治体では、『基本型』には大きな病院が指定されています。しかしなぜか大阪市ではクリニックが指定されています。大阪市では市のワクチン配送センターが『サテライト型』への分配機能を担っているようですが、そうなると、わざわざ『基本型』を設ける意味が分かりません。ワクチンの分配をしない『基本型』がなぜ必要なのでしょうかね……」

 この点、大阪市保健所感染症対策課の担当者は、

「ワクチン接種が始まった昨年4月、『基本型』にするか『サテライト型』にするかのアンケートが全病院に配られています」

 と説明するが、それがどこまで周知されていたかは甚だ疑問で、市内のさる病院の院長はこう述べるのだ。

「『基本型』に手を挙げられること自体、知りませんでした。それを知っていれば手を挙げていましたよ」

途方もない数字

 いずれにせよ、なぜか「基本型」に指定された「ただクリニック」には、他の「基本型」クリニックの約2~3倍のワクチンが配分されているわけだ。

「医療機関がワクチンを接種すると、接種費用として1回当たり2070円、条件を満たせばそれとは別に補助金が3千円、計5070円が国から支払われます。『ただクリニック』が供給された1万9890回分を打ちきったとすると、約1億円を得た計算になります」(先の政府関係者)

 約2万回という数字について、先の病院院長は、

「通常のクリニックはせいぜい数百。1万回だと、他の診療を全て止めないと打ちきることができないのではないかと思います。2万回なんてどうすれば打ちきることができるのか、かなり途方もない数字といえます」

 つまり、小規模な「ただクリニック」には不相応な量が配分されていたことになり、それを「打ちきる」ために大型接種会場を設けた、とも見えるのだ。

 ワクチン接種が行われたのは6月20日と7月11日。掲載の表を見ると、1回目の接種の前に3510回分、2回目の前後に1万530回分の供給を受けている。大型接種ありきで大量のワクチンを仕入れているのではないか――そう疑われても仕方あるまい。

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