首都圏を守る戦車がゼロになって大丈夫か? 元陸上幕僚長に聞いてみると……

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

ロシア軍の戦車は次々と撃破されているが…?

 最後の第1戦車大隊長を務めた徳永真司2佐も、新設された「第1偵察戦闘大隊」の隊長に就任した。

「戦車乗りとして寂しい気持ちはありますが、『16式』でも任務の基本は変わらないと思っています。また、戦車の役割がなくなることはありません」(徳永2佐)

 ちなみに、ロシアの戦車がウクライナ側に次々と撃破されているとの報道もあるが、だからといって戦車が弱くなったということではないようだ。岩田元陸幕長は、

「ロシア軍の戦術や練度に問題がある。本来は、対戦車ミサイルを持って待ち伏せしている敵兵がいないか、偵察部隊を先行させながら進む必要があります。もちろん戦車にも弱点はありますが、火力と防御力、機動力などの総合能力で考えれば、今でも陸戦で最強の兵器は戦車です。要するに他の兵種との連携が大切なのであって、イラク戦争でも、アメリカ軍は最終的に戦車部隊を盾にしてバグダッド入りしました。そこで再認識されたように、決して戦車が市街戦に弱いわけではない。道路や建物が破壊されれば、未舗装路や瓦礫の上で戦えるのは戦車だけですから」

 今回のロシアの暴挙を見れば、やはり北海道に戦車を残したのは正解だったといえそうだ。もちろん九州も……。

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。