堀内詔子・ワクチン担当相は仕事ができない…それでも官僚に嫌われないヘンな理由

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岸田首相の誤算

「詔子さんは小学校の先輩にあたる堀内光一郎さん(61)と結婚しました。富士急行の社長を務めるなど山梨の財界をリードする経営者ですが、父親は通産大臣や自民党の総務会長を務めた堀内光雄さん(1930~2016)です」(前出の担当記者)

 堀内光雄氏が死亡すると、後継者がなかなか決まらなかった。業を煮やした関係者が堀内詔子氏を担ぎ出したという。

 自民党の代議士が匿名を条件に「政治家としては何の実績もない、単なるお嬢さん政治家ですからね」と本音を語る。

「それこそ岸田文雄首相(64)の読み違いでしょう。彼女が担当相に就任したのは昨年10月。コロナは沈静化すると岸田首相は考えていたのです。今、岸田内閣の支持率は下降を続けていますが、それも当然でしょう」

 世界保健機関(WHO)にオミクロン株が報告されたのは昨年11月。その時に本当の意味での「先手」を打っていれば、今の状況とは全く違った可能性があるという。

「今、必死に3回目接種を1日100万人にするとハッパをかけていますが、岸田首相が本気を出していれば、今年1月には達成できていたはずです。オミクロン株の感染増加が伝えられても、『たいしたことない』と周囲に漏らしていたという話を聞いています。岸田首相がオミクロン株の対策に甘い見通しを抱いていたからこそ、堀内さんを担当大臣に起用したのです」(同・代議士)

河野担当相との違い

 冒頭で紹介した朝日新聞の記事には、以下のような指摘がある。

《ワクチン担当相は、複数の省庁にまたがる業務の調整役で主に自治体への配送、国民への情報発信を担う。ただ、多くの職務権限は厚生労働省が握っているのが実態だ。前任の河野太郎氏は、ワクチン行政の権限を自らに集中させ、発信を強めたが、現在ではワクチンを含むコロナ対応は後藤氏が発信する場合が多く、堀内氏の存在感は乏しい》

 奥歯に物が挟まったような書き方だが、この報道を代議士氏に“解読”してもらおう。

「もともと河野さんは行革担当大臣で、各役所に指示できる立場でした。そのためワクチン担当相を兼任することになっても、ワクチン問題について厚労省などの役人に命令できたわけです。ところが堀内さんは、東京五輪担当相とワクチン担当相の兼務でスタートしています。これは役人に指示ができる立場ではありません。このことから岸田さんは、実は権限を堀内さんに与えていなかったことが分かるのです」(同・代議士)

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