日大医学部長選、最有力の現職が田中前理事長を絶賛 「田中先生のようなカリスマがいないと」

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投票結果にかかわらず「辞任する」

「確かに職員の方が(票数が)多いから、全ての学部で理事長が推した人物が(学部長に)なっていた。けれど、僕は田中前理事長からお金をもらっていないし、学部長にしてくれと頼んだこともない」

 そう反論するのは、件(くだん)の後藤田氏ご本人である。

「初めに言っておくけど、私は投票結果がどうであれ医学部長の職は辞退します。医学部長として、また日大の理事として田中理事長の解任決議に賛成した一人ですからね。田中先生一人に責任をおっかぶせ、自分がそのまま居座るほど恥知らずな人間ではない。辞任届を学長にも出していますし、参考投票は立候補制ではないため、私から出るとも出ないとも言えなかっただけ。再任されたところで受けるはずがないじゃない」

 そう語気を強める後藤田氏は、意外なことを明かす。

「辞任表明した教授会の終了後、1月19日夕方に田中前理事長と会いました」

先生みたいな人がコントロールしないとダメ

 一連の事件で金銭授受の現場となった東京・阿佐谷にある飲食店「ちゃんこ料理たなか」で、保釈中の田中被告と面会したという。

「田中先生はお元気そうでしたよ。関係者と接見禁止で、1階のちゃんこ屋さんの従業員とも顔を合わすことができないそうなので、2階のご自宅で大人しくしていると。私は医者だし、会ってはいけないと誰にも言われていません。田中先生の時代に学部長になったので、人として辞任すると報告した。田中先生からは“分かった”と。“参考投票はあるんだろう”とも言われましたが、私は順位にかかわらず受けませんと伝えました。なので、この期に及んで『田中派が暗躍』と触れ回る人が学内にいるなら、しょせんは日大だなと思います。そのようなさもしい考えをする人がいるから、田中先生みたいな人がコントロールしないとダメなんです」

 少々理解に苦しむが、どういうことか。

「田中先生のようなカリスマがいないと、年間予算3千億円の組織は運営できない。大組織は大きな存在の抑えがなくなれば、秦の始皇帝が亡くなった後の中国のように小物たちが群雄割拠、つまりは教授会の医者たちが権力闘争を始める。田中先生の前の時代の総長は医学部出身の方で大赤字。それを田中先生が改革して今の黒字体質にした。私のように評価をする人を“田中派”と呼ぶなら、そう書いてもらって構わないです」

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