懐かしき「昭和カラー」の車両たち 令和に改めて楽しむ“国鉄色”の魅力

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京成電鉄は通勤形電車にリバイバルカラーを施す

 京成電鉄の通勤形電車は、1952(昭和27)年から1982(昭和57)年まで濃淡の青緑を用いた「青電塗装」、1959(昭和34)年から1982(昭和57)年までモーンアイボリーとファイヤーオレンジをベースに、ミスティーラベンダーの帯を配した「赤電塗装」、1979(昭和54)年から1995(平成7)年までファイヤーオレンジがメインの「新赤電塗装」が存在していた。

 京成電鉄創立100周年を迎えた2009年、3300形が青電塗装、赤電塗装、新赤電塗装の順で昭和カラーが復活。2013年まで続いた。

 2020年からは、3600形1編成がデビュー時のファイヤーオレンジ帯にリバイバルカラー化されている。

東京メトロは銀座線と丸ノ内線の新型車両が事実上のリバイバルカラーとして登場

東京メトロでは、営団地下鉄時代も含めた1997年と2007年に、銀座線01系1編成を1927(昭和2)年の開業当時の車両1000形のレモンイエローと茶色のカラーリングをフルラッピングで再現し、好評を博した。

 その後、銀座線のホームドア設置に伴う車両更新が決まり、2011年に1000系が登場。こちらも銀座線開業時の1000形のカラーリングをフルラッピングで再現しつつ、オレンジイエロー、ホワイト、ダークブルーの帯を配した。

 1000系は当初38編成の導入予定だったが、その後2編成の追加が決定。これを特別仕様車として、エクステリアだけではなくインテリアも1000形を可能な限り再現した。

 一方、丸ノ内線は2018年に2000系が登場。エクステリアデザインは1954(昭和29)年の開業時の300形に倣った。ホームドアが設置された関係で、サインカーブ入りの白帯を車体の上部に配することで、往時の雰囲気がホームからでも見やすいようにしている。

 最近では有楽町線と副都心線で活躍した7000系の第1編成が営業運転を終えた模様で、新木場車両基地に留置されている。1974(昭和49)年の登場時は有楽町線ラインカラーのゴールド帯のみ配していたが、副都心線の開業に伴い、ゴールド、ブラウン、ホワイトの組み合わせに変更された。

 役目を終えたことで、7101号車の前面部分のみゴールドが復活した。今後の去就については明らかにされていないが、新木場車両基地で保存する可能性はある。

【取材協力:東武鉄道】

岸田法眼(きしだ・ほうがん)
レイルウェイ・ライター。1976年栃木県生まれ。『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人)、『AERA dot.』(朝日新聞出版)などに執筆。著書に『波瀾万丈の車両』『東武鉄道大追跡』(ともにアルファベータブックス)がある。また、好角家の一面を持つ。引き続き旅や鉄道、小説などを中心に著作を続ける。

デイリー新潮編集部

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