「ひとえに私の指導不足」那須のトラ襲撃事件、園長が語る原因 「動物に非はない」

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 那須サファリパークのトラが飼育員3名を襲い、重傷を負わせた。当時、一体何が起きていたのか。

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「動物園スタッフも、なぜ起きてしまったのかと困惑しています。不運が重なって起きた事故なんです」

 そう言って悔やむのは、那須サファリパークの堀浩園長だ。

 3人が襲われたのは今月5日の開園前だった。点検のためにトラの展示スペースに向かった26歳の女性飼育員が、凍結していた屋外通路を避けて獣舎脇のトラ用通路を通る際、ベンガルトラの雄、ボルタ10歳と鉢合わせしたとみられている。前日、ボルタが獣舎に入るところを別の男性飼育員が確認しておらず、獣舎内の餌も手つかずで残っていた。

 堀園長が続ける。

「ボルタが獣舎におらず通路にいるなんて起きようのないミスです。鉢合わせた時、おそらくボルタは女性飼育員とじゃれ合おうとしたのだと思います。そこで飼育員が抵抗してボルタも興奮してしまったのだと……。騒ぎを聞きつけた24歳男性と22歳女性の飼育員が助けに入りましたが、その二人もボルタを制御することはできませんでした」

 26歳の女性飼育員は全身を噛まれ重傷、22歳の飼育員は右手首から先を失ってしまった。

「現場には指だけが落ちていたそうで、食べられてしまったのだろうと思います。ただ本気で食べようとしていたならそれだけでは済みません。組み合っているうちに噛みちぎられてしまったのではないでしょうか。その後、獣医が駆けつけボルタを麻酔銃で眠らせました。ボルタは獣舎で管理されています」(同)

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