日本史の専門家が語る「鎌倉殿の13人」の見どころ 「頼朝役の大泉さんに期待」

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 大河ドラマ復権というNHKの宿願は人気脚本家・三谷幸喜(60)に託された。放送前から話題を呼んだ「鎌倉殿の13人」が、1月9日に初回を迎えた。主演の小栗旬(39)を筆頭に、大泉洋(48)、菅田将暉(28)とキャストもそうそうたる布陣。久方ぶりの勝ち戦となるか。

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 事実、本作に懸けるNHKの意気込みは半端ではない。三谷自身も登場した制作発表が行われたのは2020年1月のことだった。

 芸能記者によれば、

「放送開始より2年も前倒しの制作発表や、SNSで出演者を順次発表する斬新なPRも、NHKとしては異例中の異例。実は、大河にとって“中世”は鬼門で、松山ケンイチ主演の『平清盛』は当時の過去最低視聴率を記録しました。そのジンクスを破りたいというNHKの本気度がうかがえます」

 とはいえ、小栗が演じる北条義時も、大河の主人公としては“異例”の存在だろう。大泉扮する源頼朝や、菅田の源義経はともかく、「ヨシトキ、WHO?」と首を傾げる向きも少なくないのではあるまいか。

 そこで、『室町は今日もハードボイルド』(新潮社刊)の著者で、日本中世史が専門の清水克行・明治大学教授にご解説願おう。

「北条義時は、鎌倉幕府を開いた頼朝の妻・北条政子の弟に当たる人物です。頼朝の天下取りを支えた重臣のひとりとされ、頼朝の死後は執権の座に就き、武士の世を確立しました」

 義時の歴史的な功績は、承久の乱で後鳥羽上皇率いる朝廷軍を打ち破り、鎌倉幕府の権力を盤石にしたことにあるが、

「一方で、その前半生はよく分かっていません。三谷さんが以前に脚本を手がけた『真田丸』の真田幸村も、前半生は謎に包まれている。そのため、中盤までの『真田丸』は、幸村の視点で狂気じみた豊臣秀吉の姿を丁寧に描いていました。今作も前半では義時を狂言回しにして、頼朝や政子といった濃いキャラクターたちの群像劇が展開するのではないでしょうか。特に、複雑な性格で、多くの愛人がいた頼朝役を演じる大泉さんには期待しています」(同)

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