542億円「アベノマスク」発案の“エリート官僚”が秘かに復活 厚労省の“イベント”にも登場

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佐伯氏の“左遷”報道

 その体型などの容姿も相まって、週刊文春や朝鮮日報が「官邸の金正恩」と報じたことも話題になった。

「安倍首相との密接な関係だけでなく、“権力を笠に着た”問題行動も報じられました。18年4月には衆院予算委員会で玉木雄一郎・国民民主党代表(52)にヤジを飛ばし、謝罪することになりました。また、年上の官僚にもかなり威圧的な言動をとっていたと伝えられています」(同・関係者)

 驕れる者久しからず──佐伯氏に再び焦点が当たったのは、20年9月に菅義偉前首相(73)が内閣を発足させてからだ。

 産経新聞は10月21日の朝刊に「チーム菅 霞が関に地殻変動 経産失速、省庁主導権争い」の記事を掲載し、今井氏や佐伯氏について次のように記述した。

《重要政策を取り仕切ってきた官邸官僚は新政権発足で影響力を失った。筆頭格の今井尚哉首相補佐官兼秘書官はエネルギー政策担当の内閣官房参与に任命され一線を退いた。首相補佐官兼内閣広報官の長谷川栄一氏や、今井氏の秘蔵っ子で42歳の若さで首相秘書官になった佐伯耕三氏は官邸を去った》

重要会議に出席

「経産省に戻った佐伯氏に与えられたのは『大臣官房参事官兼大臣官房グローバル産業室付』というポジションでした。ノンフィクションライターの森功氏は著書『墜落 「官邸一強支配」はなぜ崩れたのか』(文藝春秋)で、佐伯氏の配属先はガランとした会議室で、『まるで現代版の座敷牢に閉じ込められているみたい』と周囲の同情する声を記しています」(同・関係者)

 ところが、である。その佐伯氏が復権を果たしているというのだ。

「昨年7月1日に人事が発表され、商務情報政策局の生物化学産業課長に就任したのです。一部のメディアは《官邸から戻った有力官僚のポジションとは言い難い》(註)と報じましたが、ポジションとしては医療産業、それもワクチン開発と生産にも関わる部署です。政府の重要政策を担うポストであることは言うまでもありません」(同・関係者)

 昨年8月に厚労省で「医薬品産業ビジョン策定に向けた官民対話」が開かれた。出席者の顔ぶれは公式サイトでも紹介されている。

「日本のトップ医療メーカーの会長がずらりと出席し、行政機関では当時の厚生労働大臣である田村憲久氏(57)の名前が筆頭に挙げられています。まさに官民のトップが集う会議ですが、ここに佐伯氏は経産省の出席者として名を連ねています」(同・関係者)

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