2027年に韓国の1人当たり名目GDPは日本を上回るという試算は本当か

国際 韓国・北朝鮮

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 日本経済研究センターは12月15日「韓国の1人当たり名目GDPは2027年に日本を上回る」との試算を公表した。1人当たり名目GDPは個人の豊かさを示す指標とされている。2020年の日本の1人当たり名目GDPは3万9890ドルで韓国を25%上回っているが、韓国が今後毎年6%ずつ増加するのに対し、日本は2%の伸びにとどまることから逆転が起きるという。同センターは「デジタルトランスフォーメーション推進の土台が整備されているか否か」が日本と韓国の伸び率の差を生んでいるとしている。

 新型コロナのパンデミックで日本経済のデジタル化の遅れが痛感させられたが、これだけで「日韓逆転」が起きるのだろうか。1人当たり名目GDPは経済が好調なときは自然と大きくなるものだ。

 現在の韓国は不動産バブル真っ盛りだ。

 英不動産情報会社ナイトフランクが12月18日に公開した「世界住宅価格指数」によれば、韓国の2021年第3四半期の住宅価格は前年比23.9%上昇し、調査対象となった主要56か国で上昇幅が最も大きかったという。

 文在寅大統領の就任からの4年間でソウルのマンション価格は2倍近くに高騰したと言われている。文氏は大統領選で公約に掲げた「住宅価格の安定」を実現するため、様々な不動産政策を講じてきたが、住宅価格の高騰を抑えることができなかった。政権内で諦めムードが漂い始めていたが、ここに来て「この異常な不動産バブルは近いうちに崩壊するのではないか」と懸念する声が高まっている。

 KB国民銀行が12月下旬に公表した「売買取引動向」でも、全国3722か所の不動産業者のうち「取引が活発だ」と答えたところはなく、96.4%が「閑散としている」と回答したことが明らかになっている。

 ソウル市でも2021年9月からマンション取引が減少し始めている。

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