跋扈する「コピペ裁判官」たち “NHK受診料”の誤記もそのまま判決文に、のお粗末

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「コピペ」。コピー&ペーストの略である。インターネットなどに出ている文章をそのままパソコンで「コピー」して取り込み、自分の文章に「貼り付け(ペースト)て」混ぜ込んでしまうことだ。著作権などに抵触しなければコピペ行為がすべて不正というわけではないが、こうした「手抜き」がばれるきっかけでよくあるのが、元の文章の間違いをそのままコピーしてしまうことだろう。なんと司法の場で遂にそれが暴露してしまった。(粟野仁雄/ジャーナリスト)

「受信料」がすべて「受診料」に

 判決文でコピペが露呈したのは、2013年に安倍政権下で厚労省が生活保護費の給付額を平均6・5%、最大10%引き下げたことが「憲法25条(生存権)と生活保護法に違反する」と 訴えた集団訴訟だ。全国29の都道府県で提訴され、各地で判決が出てきているが、勝訴したのは大阪だけ。各地で敗訴させた判決文がそっくりなのだ。

 コピペが疑われる判決文は9月14日の京都地裁と11月25日の金沢地裁。5月12日の福岡地裁判決とそっくりだった。一部を例示する。

福岡地裁(徳地淳裁判長) テレビやパソコン等は、生活扶助により購入することがあり得る品目であって、生活扶助により支出することが想定されない非生活扶助相当品目(医療費、NHK受診料等)とは明らかに性質を異にするというべきである。

京都地裁(増森珠美裁判長)  テレビ、パソコン等は、生活保護受給世帯が生活扶助により購入することがあり得る品目であって、およそ生活扶助により支出することが想定されない非生活扶助相当品目(医療費、NHK受診料等)とは明らかに性質を異にする。

金沢地裁(山門優裁判長) テレビやパソコンは生活扶助により購入することがあり得る品目であるから、生活扶助相当CPIにおいて排除された医療費、NHK受診料等の生活扶助により支出することが想定されない品目とは性質を異にするといえる。

 CPIとは消費者物価指数のこと。際立つのはNHKの受信料をすべて「受診料」と誤記していることだ。文脈も言葉遣いもそっくりでどう見ても各自が独自に考案したとは思えない。

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