不倫夫たちの「クリスマス」悲話 地元から離れて密会したら…思わぬ形で妻にバレた

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ますます、懲りない男

 1ヶ月ほどたったころ、妻が「東京で会ったんだって?」と従兄弟の話を突然切り出し、啓吾さんは体がこわばった。

「仕事で来ているって言ってたらしいじゃないと妻に言われて、『それは誤解だよ。周りも混んでいたからろくに話もできなくてさ』と平然と答えた……つもりでした。すると妻は、『そうなんだ。あなたが女性と一緒だったって姉さんに言ってたみたい』と。それも混んでいたからそう見えたんじゃないかと言っておきました」

 妻がもう少し執念深かったり嫉妬心が強かったりすれば、もっと探られただろう。従兄弟に直接尋問し、女性の存在を確かなものにしたかもしれない。ここはあっさりした妻の性格に救われたようなものだ。

 ただ、疑われたのは事実だ。この先、何かあったらその疑いは濃くなる。その後、啓吾さんは、咲紀子さんと会うときに以前にも増して細心の注意を払うようになった。

「実は今年もまた、東京へ行くんです。今回は土日で。東京で会うのはあれ以来。今回は都内はやめて近郊でロマンティックな夜を過ごします」

 啓吾さんはうれしそうにニヤけた。ますます、懲りない男である。家庭の平穏のためにはバレないようにと祈るしかない。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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