「くだらん野郎だなッ! おまえは」菅原文太が珍しく声を荒らげた人生相談の内容

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《いい換えればバイタリティがある》

 車を購入して以来、妻から運転手扱いされ日々こきつかわれている、という男性の悩みへの答えである。

《早い話が、妻というか女房のしたたかさに一面をかいま見たということだろうな(中略)女というもんは、オギャーと生まれたときから、そのう、本当に一筋縄でいかない存在だと思います。いい換えればバイタリティがあると》(91年11月28日号)

 文太の言葉はすべて経験に基づいているため、女性一般の話ではなく、妻のことを語っているように思える。

《だいたいは男と女の力学の違いによってオヤジの方が強い(中略)ところがです。女性は生まれたときから、不合理に耐えられるメカニズムになっているんではないかと、私には思われる》(同)

 文太を知るほとんどの人は、妻の文子との仲の良さを認めている。彼女を頼りにしていたという証言もある。文太が人生相談をするとすれば、相手は逞しくバイタリティのある妻だっただろう。

松田美智子
山口県生まれ。金子信雄主宰の劇団で松田優作と出会い結婚。一子をもうけて離婚。その後、シナリオライター、ノンフィクション作家、小説家として活躍。『天国のスープ』(文藝春秋)『女子高校生誘拐飼育事件』(幻冬舎)等の小説を執筆するとともに、『福田和子はなぜ男を魅了するのか』(幻冬舎)、『越境者松田優作』(新潮社)、『サムライ 評伝三船敏郎』(文藝春秋)等のノンフィクション作品を多数発表。

デイリー新潮編集部

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