「くだらん野郎だなッ! おまえは」菅原文太が珍しく声を荒らげた人生相談の内容

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バクチにはむしろ寛容

 ゴルフと同じく、ギャンブルに関する相談も多かった。

「万馬券に興奮する競馬狂」と名乗る男性は、20年間で1000万円ほど競馬につぎ込み、負けている。40歳近くになるが、貯金はゼロで独身。万馬券を取ったときの興奮が忘れられないという。

《こんな競馬狂のわたしは、今後どうすればいいのでしょう。競馬をやめられないのは、わたしに一種の弱さがあると思うのですが》(91年5月9日・16日合併号)

 昔、府中競馬場に通っていたという文太の答えはシンプルだ。

《いいんじゃないのか、いまのまんまで。手紙を拝見した限りでは、別に身を滅ぼすほど競馬にのめり込んでいるとは思えんし》(同)

 本人がやめようと考えているのに、その必要はないというのだ。それどころか文太は、万馬券を当てた男性を《オレよりバク才があるんじゃないのか》と褒め、さらに《競馬会はファンを大事にして払い戻し金をアップしたらいいと思うんだが》と続ける。

 競馬だけでなく、パチンコやパチスロ、麻雀などにはまっている人間からの相談に対しても説教はしない。むしろ寛容である。

《バクチは負けるのが相場であって、財テクはできんわな。遊びで気楽にやるのがいいんじゃないかのう(苦笑)》(同)

 なんとも緩い助言であり、諭したり、叱ったりするほどのことではない、という態度に終始している。

《“手づくり”はいいよ。文太さん》

 だが、珍しく文太が怒り、声を荒らげた相談がある。

《くだらん野郎だなッ! おまえは》(91年2月28日号)

 文太に叱られた男性は36歳。独身で、これまで二十数人の女性と付き合ってきた。彼の不満はバージンの女性が一人もいなかったことだ。

《バージンの女と出会えば結婚してもいいと思っているのに(中略)オレ好みの女に仕込むことができるし。“手づくり”はいいよ。文太さん》

 相談ではなく、本人の希望を語っているだけなのだが、これに文太は激しく反応した。

《世の中にはいろんな人間がおるが、下の下だな、キミは。処女でないと結婚できん? 勝手だよ。勝手にすればいい。手づくりがどないしたというんじゃ!》(同)

 実際に文太が結婚した相手は再婚で、前夫との間に子供をもうけていた。36歳男性の“手づくり”願望を「くだらん!」と吐き捨てたのは、自分とは真逆の感覚の人間だったからだろう。

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