日向坂46、新センター「金村美玖」の実像 ギャグ不発で号泣の彼女を救ったお笑いタレント

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ふたつのターニングポイント、そして新曲のパフォーマンス

 ターニングポイントとなった出来事が2つある。1つは20年2月に発売された4thシングル「ソンナコトナイヨ」で1列目に抜擢されたことだ。フロント入りしたことで、メディア露出が急増。当然、バラエティ番組では笑いを取ろうと貪欲だった。

 2つめは“日向坂46×DASADA LIVE&FASHION SHOW”である。「DASADA」は日向坂46が主演した深夜の連ドラだが、そこから派生したファッションブランドとしても展開しており、20年の東京ガールズコレクションにも出展した。

 イベントではメンバーもランウェイに登場しパフォーマンスをおこなったのだが、センターの小坂はスケジュールの都合がつかず欠席、金村が1曲目の「青春の馬」のセンターを担うことになった。同イベントは「DASADA」の世界観が楽しめるファッションショー&コンサートと銘打っており、ドラマの主題歌でもある「青春の馬」のセンターは、この日一番の大役だった。感情に訴えかけてくるタイプの曲なのだが、彼女は風を切るようなダンスで内に秘めた情熱を放出。力強く圧倒的な感情表現をみせた。この重要なポジションを務め上げたことでまさに“グループの顔”として認められたといえる。

 そして満を持しての6thシングルでセンターに抜擢されたわけである。「ってか」は大きなプリーツ(布のひだ)のあるスカートを使った、大胆で激しいダンスが特徴だ。難易度も高いうえ、MVではジャンピングキックに挑戦するなど、肉体的にハードな楽曲だった。体育会系ではない彼女がセンターで大丈夫かとも思ったが、心配は無用だった。キレキレのダンスでそのスキルの高さをみせつけてくれたのである。ラストのサビで見せる力強い笑顔も印象的だ。テーマは“戦い”なのだが、この彼女の笑顔はまさに「どんな困難も一緒に戦えば大丈夫だよ」ということを表現しているのである。

 17年8月の加入からはや4年。常に等身大だった金村は、時には壁にぶち当たってもがきながらもひたむきに努力し、たくましさを増していった。それでも成長は止まることはない。確かなステップアップを続けるニューヒロインはまだまだ発展途上なのである。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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