日本は敵性国家…韓国大統領選、文在寅“後継候補”の信じ難き「ド反日語録」

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支持率は3割台に低迷

 ことあるごとに「困った時の反日・竹島」として利用されるのは堪(たま)ったものではないが、果たしてそうした政治的パフォーマンスにうつつを抜かす余裕が、「文氏一派」にはあるのだろうか。なにしろ文大統領の支持率は、就任直後に8割以上あったものが最近では3割台に低迷しているのである。

「文政権になってから、都市部の地価が急騰し続けていて多くの国民が家を買えない一方、一部の富裕層だけが不動産投資で儲けている。また、一部財閥の寡占状態は相変わらずで、多くの若者たちは、財閥系に就職できなければ良いキャリアを歩めない、家が持てない、結婚もできない……という負のスパイラルに陥り、社会全体に不公平感が充満しています」(武藤氏)

 さらに、産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏は、文政権をこう一刀両断する。

「そもそも庶民の味方を自称していた文氏ですが、大統領になると一転、チョ・グク法相の娘の不正入学問題などが噴出。言っていることとやっていることが違い、結局は身内が特権を利用して甘い汁を吸っているだけではないのかと不信が高まった。政権の偽善性が見抜かれてしまい、世論の反感を買っているのです」

「対日関係を国内政治に利用している」

 挙句、11月17日には韓国国内の1日のコロナ感染者数が3292人と過去最多を記録し、12月には1日1万人を超えるのではないかと騒がれている。やはり、反日パフォーマンスに明け暮れている暇はないとしか思えないのだ。

 そもそも「文・李陣営」が、今後さらなる反日言動を繰り返したところで、

「今の韓国ではリアリティをもって受け取られず、有権者の共感は得られません。コロナ前、年間およそ700万人もの韓国人が日本を旅行していました。文大統領らが日本は悪い国だとどれだけ叫んでも、効果はなかったのです」(李教授)

「反日カードは手垢に塗(まみ)れていて、有権者にとって『見え見え』のカードですから、反日アピールは効かないでしょう。今回の大統領選は『常識と非常識の戦い』といわれています。『常識』の尹候補と『非常識』の李候補の戦いです」(黒田氏)

 なお尹氏は、文大統領の対日政策をこう評している。

「対日関係を国内政治に利用しているのではないかと思う」

「対日関係が存在しているのかというくらい(日韓の)外交関係が『失踪』した状況だ」

 至極「常識」的な見解であろう。

 反日という伝家の宝刀はすっかり錆(さ)びついているにも拘(かかわ)らず、それ以外に帯刀していない文氏陣営は刃こぼれした刀を振り回すしかない。ここまで来ると、「敵性国家」と名指しされた立場ながら、その相手に同情してあげたくなるほどの「哀れさ」さえ覚えるのである。

 文大統領から李氏に引き継がれている、今日も反日、明日も反日、毎日が反日……。韓国の青瓦台(大統領府)が「常識」を取り戻すのはいつの日か。

週刊新潮 2021年12月2日号掲載

特集「今度は警察庁長官が『竹島上陸』 大統領選突入で反日『文在寅』後継候補が巻き起こす『ド反日』の嵐」より

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