【体験記】コロナ禍で増加「国際ロマンス詐欺」にだまされてみた 「ロマンス詐欺あるある」に注意

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約50万円の支払いを要求

 今度は総司令官の時ほど個人情報をさらさなくて済みそうだ。その内容に従って氏名、住所、電話番号を伝えると、荷物搬送や通関手数料など合計4500米ドル(約50万円)の支払いを要求してきた。返信を保留にしたところ、催促のメールが届く。

 同社のウェブサイトに掲載されているのは、ロンドンの住所と電話番号。ためしに電話をかけてみたが、「現在使われておりません」と英語のアナウンスが流れた。私はジョンソンに「尋ねたいことがあるので、通話可能な番号を教えて欲しい」とメールで伝えると、新たな電話番号が示された。国番号はイギリスの「44」。今度はつながった。

「こちらはジョンソンだ。問い合わせがあると聞いているが、何でしょう?」

 相手は若い男性の声。アフリカ訛りの英語だ。背後に雑音が全くしないから、個室にいるのだろう。

「4500ドルを支払えとのことだが、指定の口座番号を教えてほしい」

「荷物の送り主は誰ですか?」

 私がそう立て続けに尋ねると、ジョンソンは、

「口座番号はメールで送るよ。送り主は女性です」

 と答え、その直後に電話が切れた。再び掛けるも「現在通話ができません」のアナウンス。ボロを出す危険のある長電話は決してしない。相手は「ヒット&アウェイ」の作戦を取っているようだ。

 しばらくすると振込先がメールで届いた。そこには、大手銀行佐賀支店の日本人男性の口座情報が、アルファベットで記されていた。

 口座名義の日本人男性は一体、何者なのか。ATMで確認すると実在する口座だった。フェイスブックで同一人物とみられるアカウントを見つけたので、メッセージを送ったが、既読にはならなかった。

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