なぜ妻は突然、その日暮らしの「バツ3男」と逃げたのか……エリート商社マンが今だから語れる“反省と感謝”

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

妻の生き方から教えられたこと

 妻は、商社マンの妻というステイタスをあっさり捨てた。不倫という乱暴な手段ではあったけれども、自分の殻をこじ開けて自由奔放に生きている。そんな妻を「ワイルドじゃないか」と思えるようになった。手に職もなく、相手の男性に収入があるわけでもなく、東京に身内もいない妻が、何もかもをぶっ壊して、自分らしく生きる道を選択した。たしかに、ロックな生き方だ。

 正式に離婚が成立したのは2年前。養育費は月に十数万円で払っている。子どもとは定期的に会えており、父子関係は良好だ。

「子どものことで妻とやりとりすることもあるんですが、妻は結婚していたときには考えられないほどはっきり自己主張するんです。隠し事がない気持ちいい関係になったなと思っています」

 見せかけだけきちんとしている関係性には価値がない。会社一辺倒の人生ではなく、自由でのびやかな人生を送るきっかけを与えてくれた妻を、大作さんはいま心からリスペクトしている。

上條まゆみ(かみじょう・まゆみ)
ライター。東京都生まれ。大学卒業後、会社員を経てライターとして活動。教育・保育・女性のライフスタイル等、幅広いテーマでインタビューやルポを手がける。近年は、結婚・離婚・再婚・子育て等、家族の問題にフォーカス。現代ビジネスで『子どものいる離婚』、サイゾーウーマンで『2回目だからこそのしあわせ~わたしたちの再婚物語』を連載中。

デイリー新潮取材班編集

2021年11月9日掲載

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。