1000匹多頭飼育、母犬を無麻酔で帝王切開…杉本彩さんが告発した悪徳ブリーダーのひどすぎる実態

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200匹がフレンチ・ブルドッグだった

 その後、警察もようやく動き出す。9月2日、県警は動物愛護法違反容疑で繁殖業者の飼育施設を家宅捜索に入った。14日、Evaは松本警察署に「アニマル桃太郎」の代表らを刑事告発。それから二ヶ月後の11月4日、とうとう県警は、代表の百瀬耕二容疑者(60)ら二人の逮捕に踏み切ったのだった。杉本さんが動いたことで、事態を放置したら世間から批判を受けると県警は考えたのかもしれない。まさに“お手柄”とも言える迅速な動きであったが、

「そんなつもりは本当にありません。ようやく業者が逮捕されて、ほっとしているところです。これを機に行政も警察も、もっと悪徳業者を取り締まるよう日頃の指導・監督に力を入れてほしい。マンパワーが足りないというのは、動物虐待を放置する言い訳にはなりません。この業者は30年間も商売を続けてきたのです。もし取り締まらないというならば、私たちに立ち入り権限を与えてほしいくらいです」

 そして、もっと多くの人にこの事件を知ってほしいと訴える。

「彼らが何をしていたのか、目を背けずちゃんと見てほしいのです。そして、彼らがなぜこんな凄惨な動物虐待を行っていたかについて考えてほしい。私たちがペットショップで購入しているかわいい子犬たちが、こういった非道な悪徳業者の手によって、モノのように生産されていたのです」

 今回摘発された繁殖業者が飼っていた約1000匹のうち、およそ200匹がフレンチ・ブルドッグだった。

「ペットショップで40万~50万円の高値で売られている人気犬種です。人為的に交配して作られた繊細な犬種のため皮膚病にかかりやすく、暑さにも寒さにも弱い。あの環境下ならば、どんどん死んでいったと思う。そんな人気犬種を産むために、無麻酔で帝王切開された母犬たちの気持ちを考えてください。犬も人間と同じで痛みを感じます。ペットショップでかわいらしくつぶらな瞳で私たちに訴えかけてくる犬たちが、そんな地獄絵図のような環境下で産まれてきた可能性があるということを、消費者の方々は購入する前にちゃんと考えるべきです。そうした安易な消費が、こうした悪徳業者による動物虐待の温床になっているのです」

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