「体に投資する」超高級食材店のカリスマバイヤーが明かす買い物術 新鮮な食材の見分け方、調味料の選び方は

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日本は食品添加物大国

 スーパーに行くと、同じジャンルの商品が何種類も並んでいますから、ラベルを比較してみたらさまざまな発見があると思います。そこで注目すべきは原材料名。一般的に高価なものは素材を活かすことを重視していますから、「米」とか「大豆」とかシンプルなことが多いのですが、安価な商品ほど原材料の表記が複雑で、カタカナやアルファベット、はては見たことのない化学記号のような添加物がたくさん書かれています。

 日本は世界に類を見ない食品添加物大国で、実に800以上の添加物があります。多くが加工食品を製造する際に味を良くするもの(調味料・甘味料・酸味料など)、保存性を高めるもの(保存料・酸化防止剤など)、見栄えを美しくするもの(着色料・発色剤など)など、いろいろな用途で使用されています。

 全てではないにしても、スーパーなどで市販されているお惣菜やレトルト食品、冷凍食品、調味料やハム、ソーセージ、パン、ケーキ、ジュースやアイスクリームに至るまで、食卓に欠かせない多くのものに含まれているのです。

 食品添加物の全てが悪いわけではなく、「にがり」がなくてはお豆腐を作れないように、恩恵があることは事実です。その一方、お豆腐の多くに、「消泡剤」という私たちの体には必要のない添加物も使われます。大豆を加工する際に生じる泡を一瞬で消すものですが、本来は3、4時間かけてゆっくり消えるまで待つべきところ、人件費の削減や製造時間の短縮など、メーカー側の都合で余計な添加物が使われているのです。

 ただ、添加物を悪のように言っている私だって、何かの宗教みたいに「絶対に摂ったらあかん」というわけではないんです。限りなく無添加、無農薬の美味しい食べ物を提供することを目指している私たちの店でも、添加物の入っている商品はあります。全体でいえば1~2%といった割合ですが、いくら体によいからといっても美味しくなければ意味がない。口にあわないものをエサのように食べさせられるのは苦痛です。

 あくまで自分に可能な範囲で、添加物の少ない生活を心がければいいと思うのです。イメージとしては、7~8割は天然由来の食品を揃え、残り2~3割はインスタントラーメンやスナック菓子を買ってもいい。それくらいの感覚で暮らすだけでも、日常は大きく変わると思います。

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