「体に投資する」超高級食材店のカリスマバイヤーが明かす買い物術 新鮮な食材の見分け方、調味料の選び方は

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 食欲の秋は日頃の買い物にも楽しみが増すが、全国から美味しくて体によい食べ物を集めた「超高級食材店」をご存じだろうか。創業者は主婦を中心に支持を集めるカリスマバイヤー。「食で体に投資」を旨とする店づくりの発想は、我々の日常にも応用できるという。

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〈兵庫県芦屋市や東京・港区六本木に店を構える「グランドフードホール」は、2014年のオープン以来、巷の主婦たちを中心に「グラホ」の愛称で親しまれ、絶大な支持を集めている。扱う食料品は日本全国の「トップ オブ トップ」をモットーに、1カテゴリーにつき最も美味しい一品だけ。併設のデリでは、一流シェフが調理した惣菜も購入できる。

 こう書くと、何だか高級そうな店だし自分には縁遠い──そう考える読者もおられるかもしれない。だが、それを理由にページを閉じるのはちょっと待ってほしい。確かに、この店には1リットル3千円のトマトジュースや、1缶2千円のローストナッツ缶などが置かれ、バカ売れしているのは事実だ。とはいえ、売り場を歩けば数百円で買える調味料など、気軽に手を伸ばせるものも少なくない。

 値が張るのには理由があって、大半の品は、体に“百害あって一利なし”の農薬や、香料・保存料などの食品添加物とは無縁で、素材の持つ味わいを大切にしたものばかりなのである。安全安心で味もよいものだけを口に入れたいと思わない人はいないだろうが、高級食材は経済的な事情で手に入れるのが難しかったり、面倒だからと既製品に甘んじる人も多いに違いない。

 そこで今回、「グラホ」の創業者で自らバイヤーを務める岩城(いわき)紀子さん(49)にご登場いただき、店を成功に導いた経験から、我々の日常生活にも活用できる「買い物術」を伝授してもらおう。〉

 ここまでコロナ禍が長引くとは誰も想像しなかったと思います。ようやく光が見えてきましたが、第6波への懸念も燻(くすぶ)っています。我々の免疫力を高めて元気をくれるのは日々の食べ物ですから、健康な体を手に入れるためにも、理想を言えば、毎日の買い物は身近な商店街に足を運ぶのがベスト。魚を買うなら鮮魚店、肉は精肉店といった具合に、目利きの専門家が選んだものを手に入れる。

 野菜なら初物など出回りの頃を「走り」、旬の時期を「盛(さか)り」、そして終わりかけになれば「名残」などと言い方が変わります。それぞれの時期にあった美味しい調理法を、食の専門家に教えてもらいながら買い物ができたら本当に幸せですよね。そうはいっても、最近は商店街も衰退していますし、スーパーなどの量販店では、店員さんとコミュニケーションを取るのも難しい。ならば普段の買い物でどのように食べ物を選べばよいのか。

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