「V6解散」、世界中の誰もたどり着いたことのないような場所に到達した6人

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V6の生き方が表れた番組での挨拶

 V6が11月1日に解散する。26日に放送された「学校へ行こう!」で、V6は予定されているすべてのテレビ出演を終了した。『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)の著者である霜田明寛氏は「V6はTVスターではなかった」という。もちろんそれはV6のキャリアを否定するものではない。TVスターではないからこそ、彼らは世界的に見ても特殊な場所にたどり着こうとしているという(文中敬称略)。

 本稿執筆時点で、V6は予定されているすべてのテレビ出演を終えている。11月1日には、ライブが行われ、それが最後の活動となる。

 最後のテレビ出演となった「学校へ行こう!」のラストには6人全員から挨拶があったが、全員に通じていたのは、“V6としての最後の言葉”ではなく“番組としてのお別れの挨拶”に徹していたということだ。

 内容は番組としての思い出や、スタッフへの労いの言葉が主で、なんと「V6」という単語を出したのですら岡田准一と三宅健の2人だけだった。

 V6は自分たちのファンと、「学校へ行こう!」の視聴者を明確に分けていた。あくまで最後のテレビ出演は「学校へ行こう!」の視聴者へのお別れであり、ファンとのお別れはライブでということなのだろう。テレビでのV6の最後の勇姿を見ようと思った視聴者には、既に1回終わっている番組のお別れが行われたのには、いささか拍子抜けだったかもしれない。

 だが、その明確な線の引き方に、V6の生き方が表れているような気がした。

TVスター、SMAPとの比較

 背景や解散に至る道のりが違うため、同列にするわけではないが、最後のテレビ出演のわかりやすい例として比較させてもらうと、SMAPは「SMAP×SMAP」の最終回が、そのままSMAPの最後となってしまった。

 あの年、SMAPは25周年を迎えていたがライブは行われなかった。ラストは番組スタッフとメンバーが同時に映るなど、あくまで「SMAP×SMAP」の最終回であることが強調されていたが、以降5人で揃う姿が見られていない以上、結果的にファンへのお別れとテレビ視聴者へのお別れも同時にあの最終回で行われてしまったことになる。

 やはりSMAPはTVスターであり、V6はそうではなかったのだろう。

 もちろん、これはどちらが優れている、ということではない。

 長年視聴率ランキングで上位にい続けたオバケ番組「SMAP×SMAP」をはじめ、出演するドラマが軒並み高視聴率を記録した木村拓哉に、紅白歌合戦の最年少司会をはじめ多くのバラエティ番組の司会を務めた中居正広。

 中居に加え、香取慎吾・草なぎ剛は「笑っていいとも」のレギュラーの期間も長かったし、香取と草なぎの組み合わせでの「サタ☆スマ」など、全員が揃わなくても彼らが出演する番組は高視聴率を記録した。SMAPはテレビが生み出したTVスターだったと言えるだろう。

 一方、映画への出演はそう多くはなく、製作されるにしてもドラマの派生か、もしくはテレビ局が主導するお祭り映画のようなものが多かった。舞台も、稲垣吾郎が少し積極的だった程度で、木村・中居に至ってはSMAPの活動が忙しくなってからはゼロだ。

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