「甘利明幹事長」と「石原伸晃元経済再生担当相」 落選する可能性はどれくらいあるのか?

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山本太郎出馬騒動も雨降って地固まる

 続いて、石原伸晃氏。現在の小選挙区比例代表並立制が導入されて以降、ライバル候補に小選挙区はもちろん比例復活さえ許さず9回の当選を重ねてきた彼も苦境に立たされている。

 もっとも、これまでも石原氏が無敵だったというわけではない。

 前回選挙での東京8区には、旧立憲民主、旧希望、共産の候補らが立候補し、結果的に票が割れた。石原氏は約10万票を獲得して当選したが、次点の吉田晴美氏は約7万6000票。旧希望や共産の候補者らも合わせた得票合計は、石原氏を約4万票近く上回る。

「東京8区にはれいわ新選組の山本太郎代表が一時出馬表明しましたが、立民との調整不足が露呈し、山本代表が東京の比例に回ることで収束を図りました。立民の枝野代表のあずかり知らないところで話が進んでいた調整不足で、一時は敵を利したと言われましたが、現在は雨降って地固まると言いますか、野党共闘が吉とでています」(先のデスク)

 野党共闘と一口に言ってもアンチ自民票をそっくりそのまま合算するわけには行かないし、野党が戦略なく共闘しただけで、すなわち吉と出るわけではない。ざっくり言うと、「与党がそこまで強くない選挙区で野党が1つに固まること」に意味がある。

期日前投票でも後塵を拝して

 その点、東京8区は、「与党がそこまで強くない選挙区で野党が1つに固まる」モデルケースとなっているようだ。

「石原さんに関しては、過去に当時の総裁を裏切るような形で総裁選に出馬したり、大臣として失言が続いたりなど失点が相次いだ過去が選挙のたびに蒸し返され、今回も向かい風になっています」(先のデスク)

 政党支持率の調査をすれば自民党が常にトップで表向き他党を圧倒するが、実は「支持政党なし」が“隠れ第2党”として存在感を際立たせている。

「この支持政党なしがどれくらい選挙に行くのか、彼らの票をどれくらい得られるのかというのもポイントでしょう。今回の選挙の情勢調査では実際、石原さんは対抗馬に結構なリードを許しています。期日前投票でも後塵を拝している状況。さすがにこれだけの大物ですから投票日に向けてかなりの追い上げを見せるでしょうし、仮に選挙区で敗れても比例で救われるレベルかなとは思いますが……」

 小所帯とはいえ派閥のボスが選挙区を落とすという事態になれば、なかなかショッキングなことではあるが……。

デイリー新潮取材班

2021年10月29日掲載

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