「甘利明幹事長」と「石原伸晃元経済再生担当相」 落選する可能性はどれくらいあるのか?

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頭を下げた甘利幹事長

 自民党の甘利明幹事長(72、神奈川13区)と石原伸晃元経済再生担当相(64、東京8区)が衆院選で苦しい戦いを余儀なくされている。それぞれに苦戦の理由があるようだが……。

 まずは、「岸田さん(文雄首相)は自分がトップになったらあの人を幹事長にする、とハナから決めていたそうです」と政治部デスクが話す甘利幹事長から。

 公明党が衆院選での自民党公認候補225人に対し、第一次推薦を決めたのは10月14日のこと。党4役で言えば、岸田文雄総裁、高市早苗政調会長、福田達夫総務会長、そして遠藤利明選対委員長はこれに含まれたが、甘利幹事長は除外された。

 同じ神奈川では公明党・創価学会との蜜月ぶりで知られる菅義偉前首相は含まれ、小泉進次郎前環境相、河野太郎前行政改革担当相は含まれなかった。

「進次郎さんと河野さんはそもそも公明党の支持が要らないレベルなので別として、甘利さんや彼に近い山際大志郎経済再生担当相は漏れました。甘利さんはその後の第二次でも外れ、結局推薦されたのは第三次の時点でした」(同)

 甘利氏は2016年に報じられた金銭授受問題後の17年総選挙の際に、公明党と創価学会に頭を下げて支援をお願いしたという。その甲斐あって当選を果たしたが、甘利氏とカネの問題はくすぶり続けたままだ。

選挙が終わっても遺恨が残りそう

 公明党が甘利氏に厳しい姿勢を取ったのには、自らの党の不祥事も関係していたようだ。今年に入って、同党の遠山清彦衆院議員は緊急事態宣言下でのクラブ通いが発覚し、議員辞職に追い込まれた。その後、東京地検特捜部が遠山氏の当時の秘書ら2人が貸金業の登録をせずに融資を仲介した疑いがあるとして、関係先に家宅捜索に入ったのだった。

「公明党・学会にとってカネや女性の問題は、他の党よりはるかにご法度とされています。すでに辞職しているとはいえ遠山さんのことがあったばかりなのに、甘利さんを積極的に応援するわけには行かない。推薦が遅れた理由はそこが大きいと思います」(先のデスク)

 もっとも、公明党が連立を組む相手という以上に一体化し、友党と呼ぶよりも深く連帯する自民党の幹事長をギリギリまで推薦しないとは穏やかではない。

「甘利さんもその状況を受け入れがたかったようです。とはいえ、抗議したところでこの選挙中に何かが変わるわけではありません。甘利さんが小選挙区を落とすことはないと思いますが、公明・学会との関係がギクシャクする幹事長というのは連立を組んで以降、いなかったと思います」(同)

 選挙が終わっても遺恨となりそうな気配だ。

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