いびきで最悪の睡眠に “人生の残り時間”を増やす予防策と治療法は?

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CPAPが合わない患者も

 ただ、もちろん治療法のひとつであるから「合う」「合わない」はあって、例えば、女優でタレントの西村知美さんは診断後、装着を始めたものの、

「2週間ほど行いましたが、今はやめています。確かにいびきは改善したんですけど、口や喉の乾燥が気になって……。また、仕事はロケが多いため、機器が大きく、持ち運びが大変になるのもネックでした」

 装置は1~2キロで、軽量化したものも出ているが、それでも手間は手間である。

 白濱理事長が言う。

「CPAP療法は、適切に行うことによって心疾患などの予防効果が報告されています。また、鼻呼吸の癖がついて、いびきや無呼吸が改善されることもあります。ただし食欲が出ることにより、体重が増加するとの報告もあるため、根本的に治すためには、生活習慣の改善も重要になるのです」

 その他、特殊なマウスピースを装着し、下あごの位置を前方に出して気道を保つ治療法もある。

「慢性的にいびきをかく人は国内に2千万人はいるといわれています」

 とは、末松副院長。

「しかし、“たかがいびき。されどいびき”。そこには重篤な病の兆候が潜んでいる。少しでも自分のいびきが気になる方は、その危うさを理解してほしいですね」

 人間は一生の3分の1の時間を睡眠に費やす。いかに上手く眠るかは、すなわち、いかに人生を健やかに生きるかということに直結するのである。

週刊新潮 2021年10月7日号掲載

特集「寝れば寝るほどダメージ 『いびき』『昼の眠気』は予備軍 潜在患者500万人『生存率』4割減『最悪の睡眠』」より

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