細あご、ペチャ鼻の人は要注意の「睡眠時無呼吸症候群」 健常者の約7倍の確率で交通事故

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細あご、ペチャ鼻は要注意

 それを見分けるにはどのようにすればいいのか。

「SASは誰もがなりうる病気です。年齢や性別を問いません」

 と白濱理事長が続ける。

「まずは、肥満の人がなりやすい。肥満の人は首や喉にも脂肪が付き、上気道が狭まっていますからね。とりわけ、首が太く短い人は要注意です」

 ただし、上気道の狭窄はそれだけが理由ではないという。「細あご」「ペチャ鼻」などの特徴がある顔つきも要注意だとか。

「下あごが未発達ですと、気道も狭い。鼻が平べったい人は鼻呼吸よりも口呼吸が中心になりますから、その分、上気道が狭まった時の影響が大きいのです」

 もしこれらのどれかひとつにでも当てはまっていたら自らの眠りをチェックしてみる必要があるのかもしれない。

「三大症状は、いびき、日中の眠気、起床時の頭痛です。このいずれかが出ていれば、SASを疑った方がいいかもしれない」

 と述べるのは、前出の末松副院長だ。

「そもそもいびきとは、狭くなった上気道を空気が無理に通過し、空気抵抗が大きくなって発生する摩擦音や振動音なのです。つまり、いびきをかくのは、上気道が狭くなっていることのサイン。“いびきがうるさい”と言われる人は、SASかその予備軍である可能性が十分あるのです」

 昼の眠気と朝の頭痛は夜に十分な睡眠がとれていないことを表す、これもまた重要なサインなのだ。

「他にも、SAS患者さんには、夜中に4回も5回もトイレに立つ、夜間頻尿の方が多い。普通、寝ている時は心身をリラックス状態にする副交感神経が優位に働いていますが、SAS患者は無呼吸を繰り返し、脳が起きていますから、心身を興奮させる交感神経が優位となり、腎臓で尿が作られてしまうのです」

 更には、息苦しさから手足を激しく動かすため、寝がえりが頻繁になったり、ひどく寝汗をかいたりすることも。

 身に覚えがある方は少なくないはずだ。掲載のセルフチェックリストを参考に、疑わしい向きは、「対策」「治療」へと進むのも一考だ。

週刊新潮 2021年10月7日号掲載

特集「寝れば寝るほどダメージ 『いびき』『昼の眠気』は予備軍 潜在患者500万人『生存率』4割減『最悪の睡眠』」より

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