麻生前財務相を外し、安倍元総理の意向を“無視”… 岸田総理の人事への評価は

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下着泥棒の過去がある高木毅氏が党幹部に

 本誌(「週刊新潮」)は6年前、高木氏の “下着ドロボー”の過去を報じている。かいつまんで概要を説明すると、約35年前、30歳前後だった高木氏が地元、福井県敦賀市の一軒家の合鍵を作って侵入。なんと20代女性のパンツを盗んだのである。本誌は被害者の妹の証言を紹介し、それを受けて国会でも大問題となったが、当の高木氏はシラを切り通した。

「国会であまりに騒ぎになったんで、県連の費用で調査したんです」

 と振り返るのは、当時の県連会長で高市政調会長の元夫、山本拓衆院議員だ。山本氏は本誌報道の翌々年、県連で「下着ドロ」を調査した結果、「高木氏は窃盗で現行犯逮捕されていた」と記者団に語っていた。

「でも、その調査内容をすべて発表するとややこしくなるんで、発表はしなかったんです。あんまり言えないけど、高木は実質、(下着ドロボーを)認めたんですよ。だから、表に出さず、不問に付したんです。発表していたらとんでもないことになったね。でもあれは事実だから。余罪もあったし」

 しかし、もうすでに“とんでもないこと”になっている。まさかの“元パンツ大臣閣下”が党幹部へご就任なのだから……。

干された二階派

 その甘利氏の意向は閣内にも反映されている。経済再生担当大臣に就任した山際大志郎衆院議員である。

「山際さんも神奈川県選出で甘利さんと同じタイミングで4年前に麻生派に加入するなど、直系の議員です。組閣にあたり、甘利さんは山際さんに“大臣の希望はあるか”と尋ねています。すると山際さんは“経産大臣でお願いします”と言ったのでその線で進んでいたのですが、事前に報じられ、他派閥からハレーションを呼んだ。そこで経済再生相に就くことになりました。コロナ対策担当でもあり、いずれにしても重要なポジションです。ただ、山際さんは目上の人にも直言したり、陰口を叩くことも多く、“上手くやれるのか”という声が出ています」(官邸関係者)

 抜擢されれば、干される派閥も。二階派である。派幹部がため息をつく。

「党役員には一人も入らなかったな。それを知ったうちの最高顧問の伊吹(文明)さんが岸田さんに“どうなっているんだ!”と電話したんだよ。でも岸田さんから“うちの派閥も出していない。お察しください”と言われてしまったそうだ。まあ、閣内に2人の大臣、特に3期生の小林(鷹之)が入って良かったけどな……」

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