心の病は食事で改善できる? 精神栄養学の第一人者が語る「最強の食事術」

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 これは9点満点で地中海食の実践度を計る採点表で、四つのポイントがあります。

1.野菜、果物、豆類、穀類、魚の5食品の摂取が人口の中央値より多ければ、それぞれプラス1点(最高5点)。

2.うつ病の発症を促進すると考えられている肉や乳製品(チーズやバター)の摂取が中央値より少なければ、それぞれプラス1点(最高2点)。

3.バターなどの飽和脂肪酸摂取量に対する一価不飽和脂肪酸(オリーブオイルから摂れるオレイン酸など)の摂取比が中央値より高ければプラス1点。

4.1日あたり30グラム未満のアルコール摂取(赤ワインでグラス1杯程度)は適量と考えてプラス1点。30グラム以上や全く飲まない場合は加点なし。

日本人の「不健康食度」は増加

 以上4項目、計9点満点で、満点に近いほど地中海食、すなわち健康食を実践していることになります。

 もちろん、あくまでひとつの目安であり、また食文化は国によって異なるので必ずしも日本人に適用できない面もあります。例えば、乳製品は日本人はもっと摂取したほうがいいのです。

 この地中海式食事スコアなどをもとに検証すると、近年の日本人の「不健康食度」は増していることがよく分かります。

 例えば、野菜は1日当たり350グラム以上食べるべきなのですが、実践できている日本人は約30%に過ぎません。

 果物の摂取量もつるべ落としの状態で、2002年と19年を比較すると、わずか17年の間に、年間の世帯当たりの摂取量が約3割も減っています。

 魚も例外ではありません。日本人は魚を多く食べているイメージがありますが、1人1年当たりの消費量が01年時点では約40キロあったのに対し、16年には25キロ程度まで減ってしまっています。つまり、ますます食の西洋化が進んでいる。だからこそ、地中海食のようなバランスの良い食事を意識することが必要とされているのです。

 ここまでの話を改めてまとめてみます。

・医食同源であり、精神の問題と捉えられがちなうつ病にも食事内容が大きく影響する。

・うつ病は生活習慣病のひとつであり、炎症が引き金となって発症する。

・炎症を防ぐにはバランスの良い食事が求められる。

・その代表的なものは地中海食である。

 この流れを踏まえた上で、うつ病に効く食事スタイルを具体的に紹介していきましょう

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