心の病は食事で改善できる? 精神栄養学の第一人者が語る「最強の食事術」

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緑茶やコーヒーを飲む人は…

 例えば、メタボリック症候群はうつ病のリスクを1・5倍に高め、逆にうつ病もメタボリック症候群のリスクを1・5倍に高める双方向性の関係にあると報告されています。

 他にも、緑茶やコーヒーをよく飲む人はうつ症状を呈しにくいという報告が増えていたり、鉄や亜鉛などの微量元素の不足がうつ病のリスクを高め、うつ状態をもたらす危険性があることも指摘されています。

 まさに「医食同源」です。したがって、うつ病に関しても食事に気を配ることが、予防や改善に有効なのです。

 うつ病はセロトニンなどの神経伝達物質が足りなくなることで発症するといわれていますが、我々の研究では、その神経伝達物質のなかでもとりわけドーパミンが重要であることが分かっています。

 ドーパミンの放出によって得られる快感は、物事への興味や関心を持つためのモチベーションを生み出し、学習を促進します。こうして心地よい快感を繰り返し体験し、それを継続して求めていくことが人生であると考えられます。

 しかし、ドーパミンが足りないと、この生活上の「快感サイクル」が上手く循環せず、気持ちが沈みがちになりうつ病になってしまうのです。

 また、そもそもうつ病は生活習慣病のひとつともいえます。生活習慣病とは身体が軽度の慢性炎症を起こしている状態です。では、うつ病を含む生活習慣病の原因である炎症を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。

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