息子を殺害、今度は保釈中に妹を…連続嘱託殺人で逮捕された77歳老女の“心の闇”

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三男も引きこもっていた

 前の事件とは、今年4月に喜久代容疑者が自分の三男を自宅で殺害した事件である。事件現場は、実家から車で10分ほどの距離。こちらは打って変わって、ガレージ付きの築年数が新しい一軒家がそびえている。近隣住民が語る。

「一家は30年くらい前から、ここにいたんじゃないかな。この家は4、5年前に建て替えたばかりなんだよ。旦那さんは大手メーカーの子会社で役職についていたかなんかで、結構羽振りが良かった。長男、次男はとうの昔に独立して、喜久代さんは最近までここで旦那さんと息子3人で暮らしていた」

 三男は家に引きこもっていたという。

「47歳くらいだったかな。高校は出たけど大学は行かずに、ずっと家にいたと思う。糖尿病を患っていて、家でインシュリン治療をしていた。たまに自転車に乗ってどこか外出しているのを見かけたことはあったけど、ほとんど話したことはない。事件も警察が来て初めて知った」(同前)

「これから妹と暮らすんだ」

 喜久代容疑者はここでも「殺してほしい」と三男から頼まれ、首を絞めて殺害したとされる。6月に嘱託殺人の罪で起訴され、7月に保釈されていた。

「事件後、喜久代さんの姿はまったく見かけなかった。実は息子が亡くなるちょっと前の3月に、旦那さんが病死しているんだよ。癌だったと聞いている。その後、ちょっと道端で話した時に、『これから妹と暮らすんだ』と話していた。ちょくちょく自転車に乗って妹の家に通っていたようだった。息子の事件があったのは、その直後だったんだよ」(同前)

 この住人にしても、喜久代容疑者に対する印象は悪かったようだ。

「別にトラブルを起こすとかそういう人じゃないんだけど、無愛想でとっつきにくい人だった。道で会っても、こっちから声をかけないと返してこない。何考えているんだかわからない人だった」(同前)

 長く連れ添った夫に逝かれた後、残されたかけがえのない二人の家族。だが、喜久代容疑者にとっては重荷となっていたのだろうか。果たして本当に、殺してほしいという嘱託はあったのか。捜査の行方を見守りたい。

デイリー新潮取材班

2021年9月27日掲載

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