息子を殺害、今度は保釈中に妹を…連続嘱託殺人で逮捕された77歳老女の“心の闇”

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小学校の用務員だった父

 その姉こそが、小玉喜久代容疑者(77)だった。

「妹の首を絞めて殺しました」

 この家から110番通報が警視庁に入ったのは、9月20日午前のこと。通報したのは喜久代容疑者で、遺体で見つかったのは妹の後藤喜美子さん(74)だった。喜久代容疑者の供述によると、

「1週間くらい前に妹が自宅で転倒して腰の骨を折り、体が不自由になってしまった。妹に『苦しいから殺してほしい』と頼まれたので、電気コードで首を絞めた」

 死因は頸部圧迫による窒息死。だが、腰は骨折しておらず、あばら骨が7本折れていたという。

 地域事情に詳しい住人によれば、一家が越してきたのは約40年前。当時住んでいたのは、高齢の父親、次女にあたる喜美子さん、そして三女の3人だったという。二人の娘はまだ30代だった。

「お母さんは死別したのか、離婚したのか、よくわからない。とにかく3人で越してきた。お父さんは近くの小学校の用務員をしていて、70歳くらいまで働いていたかな。どこかの会社を勤め上げた後、嘱託で働いていたんでしょう。お父さんもまったく近所付き合いしない、ちょっと変わった人。暗い一家だったね」

三女の障害

 一家に重くのしかかっていたのは、三女の障害だったという。

「よく近所を徘徊してしまうんです。人の家の前で何時間も立ちすくんでいたり。次女の喜美子さんも引きこもりだった。越してきたばかりの頃、一晩中、大声で家の中で泣き叫ぶ騒ぎを起こして、病院に入ったこともあった。ただ、戻ってからは大人しく暮らしていましたよ。挨拶をしても、小声で返して逃げるような人だった」(同前)

 20年前に父が他界。それからは次女と三女が二人で暮らしていたが、5年くらい前に三女が病死し、次女の一人暮らしとなったという。

「最近、長女が越してきたって話がニュースで伝えられているけど、ほとんど見かけたことはなかった。ただ、事件の3日ばかし前に、家の中に白髪のおばあさんが二人いるのが見えたので、それが彼女だったんだろうね」(同前)

 むしろ、喜久代容疑者の姿をよく見かけたのは、父親が生きていた頃だったという。

「ただ、話したことはほとんどない。つっけんどんな人でね。挨拶しようにも、適当に返す人。威張っているようにも見えたし、正直、感じが悪かった。地域としては、三女が生きていた頃も、次女が一人暮らしになってからも、温かく見守ろうという気持ちで接してきたわけですけど、そんな気持ちは分からなかったんだろうね。嘱託殺人っていうけど、ホントかねって気持ちで見ているよ。ちょっと前にも“事件”を起こしていたっていうんでしょ」(同前)

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