「FA戦線」今オフ争奪戦が勃発しそうな投手5人と野手2人の実名

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貯金を作れることが魅力

 ペナントレースもいよいよ佳境を迎えているプロ野球。10月11日にはドラフト会議が開催される予定で、徐々に来季に向けての動きも気になる時期となってきた。中でもファンが気がかりなのが、フリーエージェント(FA)権を取得した選手の動向ではないだろうか。

 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、試合数が少なかったことも影響したこともあり、山田哲人(ヤクルト)や大野雄大(中日)、増田達至(西武)といった大物選手が揃って残留し、国内でFA移籍をした選手は、梶谷隆幸と井納翔一(ともにDeNAから巨人)だけだった。これは、2008年に新しいFA制度が導入されたから最も少ない数字である。だが、今年はその反動から多くの選手、球団が動く可能性も十分に考えられる。新たに国内FA権を取得した選手を中心に、このオフのFA戦線について展望してみたい。

 まず、需要の高い先発投手で、動向が気になるのが、広島の大瀬良大地と九里亜蓮だ。昨年は不振だった大瀬良は、今年の後半戦のスタートから勝ち星を積み重ねて、復調の兆しを見せている。過去に負け越したシーズンは2015年のみで、先発として貯金を作れることは大きな魅力だ。現在、チームで投手キャプテンを務め、球団への愛着を口にしているとはいえ、FA権についてはまだ明確な態度をとっていない。仮にFA権を行使すれば、多くの球団による争奪戦となることは必至だ。

巨人が獲得に乗り出す可能性

 九里は、大瀬良ほどの成績は残していないものの、通算成績は勝ち越している。長いイニングを投げられるスタミナが持ち味で、今年も含めて5年連続100イニング以上登板を果たした。楽天の石井一久監督兼GMが好む、いわゆる“イニングイーター”であり、FA権を行使することになると、楽天が好条件を提示する可能性は高そうだ。

 続いて、リリーフ投手。最も実績のある投手では、山崎康晃(DeNA)が対象となる。昨年は大きく成績を落とすも、今年はセットアッパーとしてチーム最多のホールド数をマークしている。高額な年俸と「Aランク」と見られる補償面の負担の大きさから手を挙げる球団は限られそうだ。その実績は申し分ないだけに、同一リーグでDeNAの戦力低下を狙いたい巨人が、山崎の獲得に乗り出す可能性は十分にありそうだ。

 一方、山崎に比べて年俸が低いため、多くの球団が手を挙げる可能性がありそうなリリーフ投手もいる。中日の又吉克樹と祖父江大輔だ。又吉は2018年からの2年間は苦しむも、昨年から復活傾向にあり、今年はキャリアハイとも言える成績を残す可能性が高い。なかなかいないタイプの本格派サイドスローで、今年の交流戦でも見事な投球を見せた。

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