「FA戦線」今オフ争奪戦が勃発しそうな投手5人と野手2人の実名

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大黒柱として好条件を提示か

 祖父江は昨年、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得したほか、2018年から4年連続で40試合以上に登板するタフネスぶりを発揮している。中日の地元愛知出身ではあるが、一昨年のオフには契約更改で査定について、球団に疑問を投げかけた経緯もあるだけに、FA権を行使して他球団の評価を聞くことも十分に考えられる。

 野手では、梅野隆太郎(阪神)と宮崎敏郎(DeNA)が目玉となりそうだ。梅野は、3年連続でゴールデングラブ賞を受賞し、今年も不動の正捕手として攻守にチームを支えている。阪神も当然、大黒柱としてかなりの好条件を提示すると見られるが、もし宣言となれば、当然動く球団は出てくるだろう。

 そして、梅野以上に動きがありそうなのが宮崎だ。2017年に首位打者を獲得してから昨年までの4年間で3度の打率をマーク。今年も安定した打撃で不動の中軸として活躍している。守備範囲は広くないものの、サードの守備も堅実だ。右打ちの強打者でしかもサードが守れるとなれば、需要は非常に高い。松田宣浩の後釜に苦労するソフトバンクは、補強ポイントにピッタリ当てはまる選手だ。宮崎自身も九州出身だけに、宣言すれば獲得に動く可能性は高いのではないだろうか。

活発な市場になることを期待

 日本ではいまだにFA権を行使しての移籍に対して否定的な意見も少なくないが、プロである以上より良い条件の契約を求めることは、何らおかしいことではない。また、選手の移籍が増えることで、球界全体が活性化する部分も少なからずあるはずだ。冒頭でも触れたが、昨年は動きが少なかっただけに、今年のオフは活発なFA市場になることを期待したい。

<FA権の行使が注目されている選手の推定年俸>

大瀬良大地(広島)=推定年俸1億7500万円
九里亜蓮(広島)=推定年俸8700万円
山崎康晃(DeNA)=推定年俸2億8000万円
又吉克樹(中日)=推定年俸4200万円
祖父江大輔(中日)=推定年俸7000万円
梅野隆太郎(阪神)=推定年俸1億1000万円
宮崎敏郎(DeNA)=推定年俸1億7000万円

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年9月18日掲載

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