北朝鮮建国パレードに登場の金正恩は影武者の影武者説 長老と親密アピールの狙い

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別人には似ていた!?

「金総書記がスーツ姿だったことを注目した社もありましたけれど、正式な軍のパレードではありませんから不思議ではないのです。むしろ大きな疑問だったのは、建国73年という特別な節目でもないのに、なぜわざわざ影武者を使ってまでもパレードを報道したのかという点です」(同・ウォッチャー)

 パレードに登場した影武者は、金総書記には似ていなかったかもしれない。だが、別の重要人物には似ていたとの指摘があるという。

「金総書記からすると祖父にあたる、『建国の父』と呼ばれた金日成にそっくりだと言われているのです。実際に直系の男性である可能性が取り沙汰されており、事実だとすると、単なる影武者ではないかもしれません。今後、総書記の後継者として取り沙汰されてもおかしくありません」(同・ウォッチャー)

 最近の国営メディアは、金総書記が“長老”と歓談する場面を精力的に報道しており、ウォッチャーは「注目すべきポイントでしょう」と指摘する。

「金昌善[キム・チャンソン]氏は長年、金正日の秘書を務めた“番頭”ですが、近年は左遷の可能性が取り沙汰されていました。ところが6月に開かれた政治局拡大会議に登場。復活を果たしたことが注目を集めています」

根強い健康不安説

「更に7月に開かれた全国老兵大会では、呉克烈[オ・グンニョル]元軍総合参謀長と金総書記が談笑している姿が報じられたことも話題になりました。彼も一時期は粛清の対象になったと考えられていました」(同・ウォッチャー)

 金昌善氏は1944年生まれとされ、76歳か77歳。呉元参謀長に至っては91歳で、文字通りの“長老”だ。

「国営メディアの熱心な“長老報道”から、『長老も金総書記を支持しています』と国民を安心させ、国内情勢を安定させようとする意図が読み取れます。恐らく北朝鮮国内では、金総書記の健康状態などの『体制不安説』が根強いと考えられます。それを払拭しようと必死なのではないでしょうか。影武者と疑われるリスクを承知で、パレードの様子を朝鮮中央テレビが報じたのも、そうした文脈に位置づけられるでしょう」(同・ウォッチャー)

デイリー新潮取材班

2021年9月15日掲載

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