ベラルーシ「女性選手」が亡命 独裁者「ルカシェンコ大統領」の「妄言」「悪行」がスゴすぎる

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不正選挙

「ルカシェンコ大統領は1990年に政治家となります。ソ連が崩壊すると、ベラルーシの政界は汚職が横行しました。彼は汚職追放を掲げ、有権者の支持を得ました。94年に大統領となると、国民投票を行って大統領の多選を可能としました。ヒトラーを礼賛する発言をしたり、国内の広告で外国人モデルの使用を禁止したり、『プレジデントは自分一人で充分』と会社の社長が『プレジデント』と呼ぶのを禁止したり、と理解に苦しむ施策が多いことでも知られています」(同・記者)

 昨年の大統領選で6選を果たした。だが、その内実は非常に問題だらけだったことも判明している。

「有力視されていた対抗馬を逮捕したり、立候補を認めなかったりと、まさにやりたい放題でした。それでも活動家の夫が逮捕されたことから出馬した、スヴャトラーナ・ツィハノウスカヤさん(38)に注目が集まりました。彼女を支援して投票した有権者も多かったはずですが、選挙管理委員会が発表した得票率は9.9%と非常に低く、不正選挙と強く疑われました。実際、票数を改ざんするよう命令する場面が録音され、それが公開されたこともあります」(同・記者)

 ベラルーシでは選挙結果に抗議する大規模なデモが繰り返し行われた。死者や逮捕者が出るなど混乱が続いたが、今のところ大統領の強攻策で国民の不満を抑え込んだ形になっている。

ポーランドへ亡命?

「今年5月には、ギリシャを発ちリトアニアに向かっていた民間航空機が、ベラルーシの領空に入ると緊急着陸させました。そして、ルカシェンコ大統領を批判していたジャーナリストなどを機内で拘束してしまいました。EUを筆頭に『国家によるハイジャックを認めるわけにはいかない』と強い抗議が行われましたが、大統領は徹底して無視しています」(同・記者)

 ポーランド政府は、ツィマノウスカヤ選手の支援を表明。Twitterで「人道的ビザを発給する」ことを明らかにした。一部の報道によると、ツィマノウスカヤ選手は在日ポーランド大使館に入っているという。

註1:「メダル獲得なし、大統領『不満』 ベラルーシ、選手やコーチを批判」(共同通信・7月30日)

註2「過去に政権を非難 市民弾圧『我慢できず』 ベラルーシ選手」(時事通信・8月2日)

デイリー新潮取材班

2021年8月5日掲載

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