横浜市長選に「小此木大臣」が名乗り ダークホースは「ベイスターズ元社長」でカジノはどうなる?

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「なぜコロナの専門家を……」

 前回選挙で林市長が得た得票数は約60万票。これは「白紙」を掲げて得た数字だ。すでに反対派陣営は、19万の「票」を事実上手にしている。反対派が一致結束すれば、IR誘致をひっくり返すことは容易な状況なのだ。だが、選挙まで2カ月を切ろうとしているにもかかわらず、反対派陣営は候補者が定まらないばかりか、票を割ってしまいかねない様相だという。

 6月16日、立憲民主党神奈川県連は、横浜市立大学教授の山中竹春氏(48)を野党統一候補として擁立することで最終調整していると明かした。山中氏は同大で新型コロナウイルスの抗体などの研究チームの共同代表を務めるデータサイエンスの専門家である。藤木氏はすぐさま支持を表明したが、この動きに県連内の一部からは不満の声も出ている。

「山中さんのことを横浜市民はほとんど知らない。そもそも今回の選挙はカジノが争点なのに『なぜコロナの専門家なんだ』と陰では言われています」(立憲民主党県連関係者)

「横浜本」を緊急出版する池田氏

 実は反対陣営からは、別の人物の出馬を待望する声があるという。プロ野球・横浜DeNAベイスターズ初代代表取締役社長の池田純氏(45)だ。

「池田氏は年間25億円の赤字を抱えていた球団を、わずか5年で黒字化に導いた実績が横浜市民に知られています。本人は態度を明確にしていないものの、下準備に入っているという噂もある」(同前)

 11年、プロ野球史上最年少の35歳で球団社長に就任した池田氏は、横浜スタジアムの運営会社をTOB(株式公開買付け)で傘下に収めるなど様々な改革を主導し、スタジアムの稼働率や売上を、わずか5年で倍増させた凄腕経営者として知られる。球団社長を退任後は、Jリーグ特任理事、株式会社大戸屋ホールディングス社外取締役、株式会社リブセンス社外取締役などを歴任。2020年3月からは、プロバスケットボールのB3リーグに所属する「さいたまブロンコス」のオーナー兼取締役に就任した。だが、ブロンコスを、

「近く退任し、本格的に横浜市長選の準備に入るようなのです。すでに彼は今年4月に『横浜未来都市経営研究所』という組織を立ち上げている。今月末には『横浜改造計画2030』という著書も出版する予定です」(池田氏周辺)

 立憲民主党の地元代議士として市長選を取り仕切る江田憲司議員はそもそも、池田氏を意中の人物として考えていたという。

「何度も池田氏のところへ通い詰め、公認で出馬するよう説得したのですが、池田氏は特定の政党色がつくことを嫌がり断っています。背景には、江田氏のバックにいる藤木氏との関係が悪いという事情もあった。池田氏はベイスターズ社長時代に横浜スタジアムを買収した際、『株式会社横浜スタジアム』の会長だった藤木氏と激しくぶつかった過去がある。御年90歳の藤木氏からすれば、”若造”から手玉に取られた恨みは忘れまいという思いなのでしょう」(同前)

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