ダブル不倫で再婚した2人 再び浮気をしている男性は純粋なのか、学習しないのか…

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生活は落ち着いたものの…

 ようやく生活は落ち着いたが、それまでより通勤時間が長くなったことと義母との生活は秀哉さんにとって大きなストレスになった。あんなに大変な思いをしてまで一緒になったのだから、春恵さんとの暮らしを大事にしなければいけないと思うこともプレッシャーになっていく。

「春恵は美香と違って、生活をしていく上ではあまり頼りにならない。家事も母親に頼っている。女性としては魅力があるけど、“妻”としてはどうかと思うところが多くて。言い訳なんですけどね」

 というのも秀哉さん、コロナ禍に陥る前の一昨年秋に、またも不倫に落ちてしまったのだ。春恵さんとの愛を貫き、お互いに離婚までしたのに、たった1年半で他の女性に心を移したのである。

「春恵のことは好きだけど、春恵との生活は違和感があって。それに元の家族に対する喪失感も大きかった。美香は子どもたちに会ってかまわないと言ってくれたけど、子どもたちが会いたがらなかった。僕は自分を父親失格だと思ったし、人間失格とさえ思って鬱々としていました。そんなときSNSで再会したのが高校の同級生だったんです」

 同級生に会って愚痴っているうちに、バツイチの彼女の家に泊めてもらうようになった。春恵さんには、残業だ接待だと言ってカプセルホテルに泊まると嘘をついた。

 コロナ禍になって、出社が週に2回になっても、彼は週3回出社だと春恵さんに告げて、元同級生と会っていた。

「今も元同級生とは続いています。春恵も薄々おかしいと思っているみたいですが、何も言いません。義母がいるからケンカもできないですしね」

 彼は何を求めているのだろう。大事な家族を捨ててまで一緒になった春恵さんへの情熱は、それほど簡単に冷めるものだったのだろうか。

「自分でもどこをどうさまよっているのかわからないんです。コロナが落ち着いたら、もう一度、海外勤務を希望しようと思っています。逃げかもしれないけど、逃げた先で過酷な仕事をしながら、人生を見つめ直したい」

 最後は消え入るような声になっていた。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮取材班編集

2021年6月9日掲載

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