「平和の少女像」など「あいちトリエンナーレ」で物議を醸した3作品が上陸 慰安婦合意はどこへ?

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心からのお詫びを重ねてきた

 同様の手紙を小渕恵三、森喜朗、橋本龍太郎ら歴代首相も送っている。これが謝罪でないというのか、それともこうしたことを知らずに非難しているのか。

 こうした経緯がありながらも、韓国側の要望に応えて、2015年の日韓外相会談で、岸田外相は、次のように述べている。

「慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から,日本政府は責任を痛感している。安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する」

 そして、こうした表明とともに「本問題について互いに非難・批判することは控える」ことを両国で確認したのが2015年の日韓合意である。何かにつけ韓国が目の敵にしている安倍前首相はこの時、政治的リスクを覚悟しながらも「心からおわびと反省の気持ちを表明」したのだ。これも謝罪ではないのだろうか。

 もちろん「市民団体」などが何を展示するかは自由である。

 しかしながら、それに乗じてメディアまでもが「日本は謝罪していない」などとフェイクの主張をまき散らすことが許されるのだろうか。繰り返しになるが、15年の合意の精神はどこに行ってしまったのだろうか。

羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。

デイリー新潮取材班編集

2021年6月9日掲載

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