妻殺害の「講談社元次長」が二審有罪で“自主退職” 大学時代の仲間は「支援する会」を設立

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朴被告の様子は……

 このような友人たちの動きを、朴被告はどのように受け止めているのだろうか。二審判決を記者も傍聴したが、朴被告の様子は極めて情緒不安定に見えた。主文言い渡しの後、「えっ、どうして」と叫び、その後も「してない! してない!」、「矛盾しているよ!」などと不規則発言を繰り返し、裁判長からたしなめられていた。

「面会に行っているご家族や同僚によれば、今は落ち着いていると聞いています。最近、僕が受け取った手紙では、拘置所の中で本を読みながら健康的な生活を送っていると書いてありました。会の活動が始まったことについては感謝している様子でしたが、やはり子供たちのことを一番心配していて、とにかく早く家に戻りたい一心のようです。彼の法廷での様子をもって、心象が悪いと評する記事もありましたが、無実の罪によって子供たちの面倒を見られなくなってしまうことを恐れていると考えれば、当然のことでしょう」(同前)

 だが、一審に続き二審でも有罪判決が下った現実はやはり重い。公判を傍聴してきた司法記者はこう指摘する。

「確かに一審の立証に問題があったのは事実だが、二審で改めて、証拠を精査し直して自殺ストーリーはちゃんと排斥されている。何よりも、一階寝室のマットなどに残されていた唾液混じりの血痕と尿班が、朴被告が妻を窒息死させた決定的な証拠です。弁護側は唾液混じりの血痕について、『歯磨きにより粘膜や歯茎から出血した可能性がある』と主張していますが、荒唐無稽過ぎます」

 前出の弁護士も、上告審で覆る可能性については懐疑的だ。

「最高裁は、『重大な事実の誤認』があるなど、高裁判決が著しく正義に反すると判断すれば、これを破棄することはできます。第一審に差し戻さずに排斥された自殺ストーリーについて、『重大な事実の誤認』や『法令の違反』があるとされるかがポイントとなりそうですが、ハードルは低くはないでしょう」

デイリー新潮取材班

2021年6月7日掲載

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