少子化でも来年の4年制大学は定員2975人増?「人気のない大学は潰れる」は大間違い

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消えたFラン大学

 それどころか、東洋経済のランキングには以下のような有名大学も入っている。

◆ワースト18位:創価大学・創価女子短期大学(東京都)
◆ワースト21位:国際基督教大学(東京都)
◆ワースト62位:和光大学(東京都・和光学園)

「率直に言って、創価大学が潰れることは考えられないでしょう。大学経営に理解の浅い担当者による記事なのは間違いありません。民間企業の会計基準をそのまま学校法人に当てはめたという致命的なミスもあります。実際、2000年から2021年にかけて、経営の悪化で潰れた大学は16校に過ぎません。現在も短大だけでなく、専門学校の4年制大学化が進行しており、大学進学率が高止まりしているのは事実でも、まだまだ微増する傾向にあるのです」(同・石渡氏)

 一時期マスコミを騒がせた“Fラン大学”も最近はさっぱり耳にしなくなった。これは偏差値が35以下だったり、定員割れを起こしたりしているため、合格最低ラインが割り出せないことを河合塾が「ボーダーフリー」と呼んだことに由来するとされる。「border free」の「f」を取ったわけだ。

「東京都新宿区に東京富士大学という学校があります。ここは2000年代に入試倍率が1.2倍にまで低下したことがありました。実質的に誰でも入学可能な状態だったと言えます。ところが国が2016年から『私立大学における入学定員の厳格化』を始めると、上位大学から中堅大学が軒並み厳しくなりました。その結果、東京富士大学でも受験生が増え、最近は倍率が4倍以上にまで回復しました」

 こうして「少子化なのに大学の定員は増加中」という現象は、来年以降も続くという。

デイリー新潮取材班

2021年6月3日掲載

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