結局、全仏を放棄した大坂なおみ 会見拒否にプロOBは「彼女だけ特別扱いできない」

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大坂への反論

 錦織圭(31)は同じ全仏のオンライン会見で、大坂の意思は尊重されるべきとしながらも、「大会で賞金をもらい、いろんな人が関わっている。面倒でもしなきゃいけないことの1つ」と記者会見の必要性を指摘した。

 共同通信は5月28日、「女子テニス協会『語る責任を』 大坂なおみの全仏会見拒否で見解」の記事を配信した。

《女子テニスツアーを統括するWTAのエーミー・ビンダー副会長は28日、大坂なおみ(日清食品)が四大大会第2戦の全仏オープン(30日開幕・パリ)で記者会見に応じない意向を表明した問題で「プロ選手はメディアに対して自分の視点を共有し、自分のストーリーを語ることで競技とファンに対する責任を負っている」と見解を述べ、取材対応は選手の責務と指摘した。共同通信の取材にメールで回答を寄せた》

 また大坂が指摘した“メンタルヘルス”の問題も、WTAは「専門家がおり、サポートシステムもある」と反論している。

 全仏を主宰するフランス連盟も、ジル・モレトン会長が「大いなる過ちだと思う。個人的には受け入れられない。われわれはペナルティーを定めたルールにのっとる」と批判した。

攻撃的なツイート

 大坂は30日に1回戦に出場し、勝利を収めた。そして事前に宣言していた通り、記者会見を欠席した。そのためフランス連盟は、1万5000ドル(約165万円)の罰金を科すと発表した。

 彼女にとっては痛くも痒くもない金額だろう。大坂が会見を拒否したと報じられた5月27日、共同通信は「大坂、年収60億円と米報道 錦織は29億円」との記事を配信している。

《スポーツ経済を扱う米メディアのスポーティコは25日、2021年版のスポーツ選手長者番付を発表し、テニスの大坂なおみ(日清食品)は女子最高額の年収5520万ドル(約60億円)で世界15位と算定した》

 大坂にとって大問題なのは、今後も会見の拒否を続けた場合だ。全仏が失格となったり、四大大会の出場が停止されたりする可能性が取り沙汰されている。実際、四大大会の主催者は連盟で「出場停止もあり得る」との声明を発表した。

 だが大坂はテニス界の反論に納得がいかないのか、攻撃的な言動が目立っている。まずは大会側から罰金を科された後、自身のTwitterに「怒りは理解の欠如であり、変化は人々を不快にさせる」とツイートした。

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