「後藤田正純」衆院議員が全県議と真っ向対立 “姑息”“デタラメ”と指弾され

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“嘘とデタラメにまみれた言動”“姑息な手段で情報発信”“間違っても公認候補とすることのないよう”……。

 5月7日、自民党徳島県議全員の直筆署名が入った「申し入れ書」で激しく指弾されたのは、徳島1区を根城とする自民党の後藤田正純衆院議員(51)である。

 辣腕ぶりから「カミソリ」の異名をとった故・後藤田正晴元衆院議員を大叔父に持ち、女優の水野真紀を妻とした“政界のプリンス”に何があったのか。

「県議らの主張では、後藤田氏がSNS上で“知事と県議がなれ合い、責務を果たしていない”などと発信したことが問題なのだそう。後藤田氏の過去2度にわたり報じられた女性スキャンダル報道にも“怒りと失望”が広がっていると書いています」(政治部記者)

 文書からは、県議たちの怒りが伝わってくるが、

「後藤田氏も同じ日に元県議や徳島市議などの直筆署名を入れて“県連刷新要請と厳重抗議”という反論書を提出。ただ、9日には県連の常任総務会が開かれ、賛成多数で党本部に後藤田氏を公認しないよう要請すると決議された。常任総務会には後藤田氏もリモート参加していたのですが、県議らと後藤田氏は外の廊下にも届くほどの声で罵り合っていたといいます」(同)

 17日、県連は、常任総務会の決議をもとに党本部に正式な「申し入れ」を。一方の後藤田氏も再び反論声明を出すなど、騒動は一向に収まる気配がない。

 表面的には“悪口を言った言われた”程度にも見える今回の諍い。本当の事情は別のところにあるようだ。

「徳島はここ数年、市長選や知事選で保守分裂の選挙となっていたんです。その多くで、県議会や県連主流派の意向に反し、対立候補を応援してきたのが後藤田氏だった」(地元関係者)

 県連の意向に従わず、おまけにSNSを使って県議に批判を食らわせたのでは恨まれるのも無理はない。

 ところが、後藤田氏の反論書に署名をした“後藤田派”に話を聞けば、

「後藤田さんの主張は、正論ではあるんです。県知事選で対立候補を応援したのも、今の知事が5選目で、多選は良くないという考えから。市議のほか町議も彼の反論書に署名していますし、県議以外は“後藤田支持”が大半です。ただ、東京育ちのせいか、田舎特有の“利権”や“なれ合い”が理解できず、県議会の重鎮にもズバズバ物を言ってしまう。主張は正しいのですが、“郷に入っては郷に従う”ができない不器用さが仇になったんですよ」

週刊新潮 2021年5月27日号掲載

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