日本医師会・中川会長、“噂の女性”と高級寿司デート 3密の店内でシャンパンを飲み

国内 社会 週刊新潮 2021年5月27日号掲載

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 国民に強い言葉で我慢を強いる日本医師会の中川俊男会長(69)。政治資金パーティーに発起人として参加していただけでも驚きだが、それだけではなかった。3密の店内でマスクを外し、噂の女性とシャンパンを傾けながら高~い寿司に舌鼓を打っていたのである。

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 このコロナ禍、最も強い言葉で国民に行動の自粛を呼びかけている人物はだれか、と問えば、日本医師会の中川俊男会長の名を挙げる人が、おそらく一番多いのではないだろうか。たとえば、4月21日の定例記者会見でも、「3度目の緊急事態宣言は不可避の状況」としたうえで、「新型コロナの感染拡大を抑える基本は各人の意識と行動だ」と、あらためて促していた。

 ところが、その前日、自身が後援会長を務める自民党の自見英子(はなこ)参議院議員の政治資金パーティーに、発起人として出席し、登壇していたのは周知の通り。しかも、「会場のホテル側と十分な協議を行い、感染症対策のガイドラインにもとづいて開催された」などと弁明したものだから、我慢を強いられている人たちの怒るまいことか。

「感染対策をきちんとやったから、なんておかしな話ですよ。自分たちは資金集めのパーティーをやって、飲食店は自粛だなんて、知り合いにも怒っている人がたくさんいます。ああいう立場の人は民間の医者たちを奮起させて立ち上がらせる、っていうのが役目じゃないですか」

 と怒り心頭なのは、東京は下北沢の居酒屋「第三新生丸」のオーナー、浅沼一秋さん。都内で2店のスナックを営む女性も、

「中川会長たちの度重なるアナウンスのために、開けていると周囲から白い目で見られるので、2店とも閉めていて、協力金をもらっても赤字です。それなのに自分は発起人になって政治資金パーティーに参加したって、どういうことですか。“会食はしていない”“感染防止策は徹底していた”とか言っていましたが、私たちはどんなに感染防止策を講じても営業はダメだ、と突きつけられています。中川さんたちのパーティーはよくて私たちはダメだという違いを説明してほしい」

 と、切実に訴える。そして、つけ加えた。

「こういうのを二枚舌って言うんじゃないですか」

 ところが、医師でもある東京大学大学院法学政治学研究科の米村滋人教授は、

「これまでも日本医師会は、自分たちの利益を重視して行動する傾向にあり、その点は一貫しています」

 と話す。舌は一枚だというのだが、どうしてか。

「国民に重ねて自粛などを呼びかけている日本医師会ですが、本当に国民の安全を考えての発言なのか疑問視する声もかなりあります。あくまでも医師会に所属する開業医と個人病院の利益を代弁した発言と捉える向きも多い。日本は全病院の81%が民間経営で、公的医療機関は2割にすぎず、コロナ患者を受け入れているのは、その2割が中心。開業医や個人病院の多くは、コロナ患者を受け入れると一般患者の足が遠のき、職員に感染者が出る、などのリスクから、なかなか受け入れが進んでいません。しかし、本来なら日本医師会が先頭に立って会員病院の不安を取り除き、受け入れに向けた調整をしてしかるべきですが、そのような動きはほとんどありません。公の利益を優先すると、自分たちの利益が損なわれる可能性があるからです」

 したがって、自分たちの利益を政策へと昇華させうる政治家の政治資金パーティーには、このご時世であっても平気で参加するのが日本医師会流、そして中川会長流であり、たしかに一本、芯が通っているようである。しかも、芯が通った行動は、実は、昨年夏にも観察されていた。

3密マスクなしで高級寿司

 昨年6月の選挙で、横倉義武前会長を接戦の末に制して就任した中川会長。さる日本医師会の会員は、

「医師会の既得権益を守ろうという意志が非常に強く、自分の考えを曲げないので、話し合っても折り合えない。厚労省や財務省の役人にも厳しく、自分がこれと思うものは押し通し、気に入らないものは受け入れないところがあります」

 と評する。だから、これから述べる昨年8月25日の行動も、ご自身の既得権益を守るために、世間の自粛ムードと折り合いたくなかった、という強い意志の表れだったのか。

 その日の18時すぎ、東京都文京区本駒込の日本医師会館で中川会長を乗せたトヨタ・センチュリーは、日本橋高島屋前に停車。中川会長を降ろすと走り去ってしまった。専用車を帰すほどそこに長居する事情があるのかと思えば、高島屋の1階を脇目も振らず、まっすぐ通り抜け、裏側に出ると、タクシーを止めて乗り込んだのだ。

 その後も車で移動するなら、なぜセンチュリーからタクシーに、それも足早に移動してから乗り換えたのか。運転手を信用していないのか。ともかくタクシーは中川会長を乗せて走り出し、八丁堀駅前でいったん停車。降車した会長は、こだわりのワインが並ぶ酒店に入り、買ったのはシャンパーニュだろうか。待たせていたタクシーに再び乗り込んで向かった先が、1人当たりの単価が平均2万円を超える寿司店であった。

 満席で、カウンターの席と席の間にアクリル板もない店の一番奥には、ショートヘアで細身の、40代とおぼしき女性が待っていた。マスクを外して1時間半ほど、その女性とシャンパーニュを飲みながら寿司に舌鼓を打った中川会長は、店員に見送られてタクシーの迎車に乗り込み、女性を送り届けたのち、自身のマンションに帰宅した。

 そのころの定例会見などでの中川会長の発言を拾ってみる。7月22日には「初心に返って3密を避けるとともに、不要不急の外出を避け、人との接触を控える」ように呼びかけ、29日にも「引き続き三つの密を避け、不要不急の外出を避けていただきたい。感染が拡大するか収束に向かうかは、国民一人ひとりの行動にかかっている」と強調。

 8月5日には「感染拡大の一因となる可能性が高い業種」に対し、「要請や指示だけでなく、一定の強制力のある命令ができるようにすべきだ」と指摘し、12日には「我慢のお盆休み」の必要性を説き、「身近な人と一緒にいるときにもマスクの着用を徹底すること」と呼びかけていた。

 一方、中川会長ご自身であるが、「初心に返」らずに狭く混みあった「3密」と言うべき、「感染拡大の一因となる可能性が高い」店内で、「我慢」などすることなく、「身近な人と一緒にいるとき」は「マスクの着用を徹底」せずに、高級な寿司とシャンパーニュのマリアージュを楽しんでいらっしゃったわけである。

 もっとも、それを「不要不急の外出」だなどと安易に批判してはいけない。国際政治学者の三浦瑠麗さんは、中川会長が政治資金パーティーに参加していた件について、こう話す。

「感染症などの専門家で、自分が言い出したことを自分で破る人はほかにもいます。感染症数理モデルの世界的スペシャリストで、イギリスのロックダウン政策を決めたニール・ファーガソン教授も、自ら破って女性を家に呼んでいた。なぜそうしてしまうかというと、大衆には禁令を守ってもらい、自分はルールを破るほうが合理的だからです。みんなが禁令を守ってくれれば感染が広がらず、病床は逼迫せず、自分は好きなことができる。そういう思いが、今回の中川会長の行動にもにじみ出ています。昨年多くの政治資金パーティーが延期になり、政治家は資金不足で思うような活動ができなくなりました。それは、いま飲食業や宿泊業が直面している状況と同じですが、世の中の状況と自分の状況が同じだということを、わかっていながら考えないのです」

 もとより、すべては自分たちの利益のためで、国民が自粛してくれてこそ可能になる逢瀬は、中川会長には「要」で「急」のものだったに違いない。やはり中川会長、芯が通っている。

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