事件現場清掃人は見た 三重県の“売春島”で孤独死した「70代女性」の消せない過去

国内 社会 2021年05月21日

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悲しみの感情は皆無

「女性は、この渡鹿野島に渡りました。まだ30代だったこともあり、娼婦になったのです。この島なら、お金も稼げるし、借金取りからも逃れられると思ったのでしょう。年を取ってからは、置屋の女中になったといいます」

 もっとも女性は島に渡ってから、一度も息子に連絡しなかったという。

「ひとり残された息子は、途方に暮れたことでしょう。父親の所に行ったのか、それとも施設で暮らすことになったのか。自分を捨てた母親に対する思いを考えると、本当に気の毒ですね」

 女性が蒸発したとき、息子は11歳だったという。

「それから40年後、いきなり母親が亡くなったと連絡が来たわけです。息子さんは、母親が亡くなっても、悲しみの感情は全くなかったようです。それも、ある意味当然だと思います。私の会社のスタッフが清掃する姿をただ、見守っているだけだったといいます。過去のことには触れて欲しくなかったようです」

 清掃費用は、40万円弱だった。

「息子さんは、清掃費用を支払うとさっさと大阪へ戻ったそうです。今さら関わりたくもないという思いだったでしょう。とはいえ、島へ渡って孤独死した女性のことを思うと、それはそれで切ない気持ちになりました」

デイリー新潮取材班

2021年5月21日掲載

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