「沢村拓一」の大リーグ挑戦に続け! メジャーで活躍できそうな“意外な選手”とは

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年々安定感がアップ

 一方の野手は、日本で個人タイトルを獲得するような選手でも苦戦している印象が強いが、意外な活躍を見せた選手となると、新庄剛志(メッツなど)と田口壮(カージナルスなど)になるのではないだろうか。その共通点としては、外野手としての抜群の守備力、器用さ、打撃の意外性などが挙げられる。西川に対するメジャーの評価が低かったのも、やはり肩の弱さが敬遠されたからだと言われており、高い守備力はマストとなりそうだ。

 この条件に当てはまる選手としては、大田泰示(日本ハム)を挙げたい。器用さという点では少し物足りないながら、外野の守備は、年々安定感がアップしており、昨年は初のゴールデングラブ賞を受賞している。ライトから見せる強肩はリーグ屈指の存在であるといえよう。

 打撃についても、意外性と長打力という意味では新庄と共通したものがあり、体格的なスケールがあるのも大きな特長だ。バリバリのレギュラーとまではいかなくても、チーム4番手の外野手などであれば、十分に獲得を検討する球団が出てきてもおかしくはないだろう。

 冒頭でも触れたように、アメリカではFA選手の交渉が長引く傾向にあり、日本人選手のメジャー移籍の動きが少し鈍化しているものの、活躍できる可能性を秘めた選手は決して少なくない。沢村のプレーが刺激となって、主力となる日本人メジャーリーガーが新たに誕生することを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年4月11日掲載

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