やることなすこと失敗だらけ 文在寅に対する審判の1年が始まった W市長選惨敗を受け

国際 韓国・北朝鮮 2021年4月10日掲載

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極めて強い市民の関心

 韓国の「4・7再・補欠選挙」(ダブル市長選)で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の政権与党「共に民主党」が惨敗し、野党第一党「国民の力」が、ソウルと釜山の市長の座を奪取した。昨年の国会総選挙で革新系与党に過半数の180議席を与えた国民が、保守系野党を選んだのだ。朴槿恵(パク・クネ)前大統領を弾劾して以来5年間、全国規模の選挙で4連勝を収め、来年の大統領選で政権維持を狙う与党に赤信号が灯った。

 ソウル市長に当選した呉世勲(オ・セフン)は、李明博(イ・ミョンバク)政権時のソウル市長で、釜山市長に当選した朴亨埈(パク・ヒョンジュン)も李明博政府の大統領府政務首席だった。

 中央選挙管理委員会は8日、前日行われたソウル市長補欠選挙で、呉世勲候補の得票は57.50%、共に民主党の朴映宣(パク・ヨンソン)候補は39.18%と発表、18.32%差で呉世勲候補が勝利したと発表した。

 呉世勲候補は、朴映宣候補の長年の票田だったソウル九老区でも圧勝。朴候補はソウル九老区を地盤に国会議員として3度当選を果たしてきた。

 呉世勲候補はソウルの25の全ての自治区でライバルをリード。年代別では40代を除く全年齢層で優位を占めた。

 釜山市長選でも朴亨埈候補が62.67%を獲得。対抗馬の2倍近い得票だった。

 投票率は平日にもかかわらず、ソウルは58.2%、釜山は52.7%といずれも高く、この種の再・補選で投票率が50%を超えたのは今回が初めてだ。

 事前投票は再・補欠選挙史上、最も高い20.5%を記録。「共に民主党に対して審判を下さなければ」という意思が、両市民の間で極めて強かったことを物語っている。

四面楚歌の新市長

 大統領就任前に32代ソウル市長を努めた李明博氏の後を継いで、33・34代ソウル市長を務めた呉世勲氏は市政に復帰することになるが、新市長の船出は厳しいものになりそうだ。

 通常は選挙後に「引継ぎ委員会」が設置されて政策を整えるが、今回は前市長が不在ということもあって引き継ぎがないまま直ちに業務を始まる予定で、市長職遂行自体に困難が予想される上、ソウル24区のうち23区の区長は共に民主党出身である。

 またソウル市議会も定員110人のうち共に民主党が102議席を占め、国民の力6議席、正義党1議席、共に民生党1議席と、まさに四面楚歌の状況である。

 共に民主党が掌握するソウル市議会が予算、条例案、組職改編案などを通過させない事態が予想され、新市長は何もできない可能性さえある。

 実際、次期大統領選挙候補の一人である共に民主党の李洛淵(イ・ナクヨン)常任選挙対策委員長が3月1日、朴候補を支援する演説で、「(前市長の残りを受け継いだ)任期1年の市長が文在寅大統領と政府、ソウル市議会と戦って勝てるのか」と述べ、物議を醸した。

 共に民主党は文在寅大統領が党代表だった時、「党所属の公職者が不正腐敗事件など重大な過ちでその職を喪失し、再・補欠選挙が実施される場合、該当選挙区の候補者を推薦しない」と定めたが、党則を改正して候補を擁立することになった。

 その共に民主党から出馬した朴映宣候補は、東京に保有する豪華タワマン問題に沈黙しながら、呉候補者のネガティブ・キャンペーンに勤しんだが、さすがにそれは有権者を愚弄する振る舞いに映ったのだろう。

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