阪神「佐藤輝明」と同学年、2016年“ドラフト高卒入団組”の現在地、No.1は山本由伸

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 いよいよ今シーズンのプロ野球が開幕した。今年の注目選手の1人に阪神のゴールデンルーキー・佐藤輝明が挙げられよう。ここで気になるのは、彼と同じ学年の選手で2016年のドラフト高卒入団組である。

 この年は、高校生なら寺島成輝(履正社=大阪)、藤平尚真(横浜=神奈川)、高橋昴也(花咲徳栄=埼玉)、今井達也(作新学院=栃木)の甲子園活躍組、いわゆる“高校BIG4”がドラフトの目玉とされていた。要は野手陣よりも投手陣のほうが豊作だったのである。

 そこで今回は、この98年生まれ・16年ドラフト入団組の投手たちの現在地を探ってみたい。

 まず、“BIG4”の中で最も注目されたのが東京ヤクルトのドラ1・寺島だ。最速150キロ左腕として期待されたが、プロ1年目に2度のケガに見舞われた影響もあり、昨年までの4年間で1軍登板数は35試合のみ。通算成績は1勝1敗3ホールド、防御率4.37となっている。

 それでも昨年は開幕1軍入りを果たすと、リリーフ要員として自己最多の30試合に登板し、防御率は2.48をマークした。今年のオープン戦の成績は防御率8.44と厳しい結果となったが、開幕1軍入りを果たしている。プロ5年目での大ブレイクなるかに注目したい。

 寺島とは対象的にプロ1年目から活躍したのが、東北楽天のドラ1・藤平だった。大型右腕らしく入団1年目に8試合登板で3勝4敗、防御率2.28をマーク。プロ2年目も14試合に登板し、4勝を挙げた。

 ところが良かったのはここまで。19年はわずか3試合、昨年はたった1試合の登板に終わり、ともに未勝利。2軍暮らしが長くなっている。今季もオープン戦で1試合も投げておらず、気がかりである。

 広島のドラ2左腕・高橋昴也はプロ2年目に1軍6試合に登板して待望のプロ初勝利を挙げるなど、大いに飛躍が期待されていた。ところが翌19年2月に、左ヒジの違和感からトミー・ジョン手術を受けることに。今季はそこからの復活を目指すこととなる。広島投手陣はジョンソンが抜けたことで、昨年先発を経験した左腕は床田寛樹のみという状況だ。コンディションが万全ならば、間違いなく先発ローテの一角を担える逸材だけに、1日も早い復帰が待たれる。

 この3人とは逆に“高校BIG4”の中で最も活躍しているのが埼玉西武のドラ1右腕・今井達也だろう。プロ2年目に1軍初登板を果たすと、3年間で通算15勝18敗、防御率4.86とまずまず健闘している。

 特に19年はチームトップの22試合に先発して7勝9敗、防御率4.32とローテーション投手として1年間稼働した。ただ、次世代エースとして活躍が期待された作季は制球難に苦しんだこともあり、2軍降格も経験。成績も大きく悪化してしまった。今季は課題の制球難を克服し、さらに大きく飛躍したい。

 惜しくも“高校BIG4”からは漏れたが、北海道日本ハムのドラ1左腕・堀瑞輝も活躍組だ。プロ1年目から主にリリーフで起用され、過去4年間で112試合に登板し、8勝9敗3セーブ20ホールドを挙げている。今シーズンも貴重なリリーフ左腕としてチームの戦力になろう。

 ここまではドラフト1・2位の上位組だったが、実は16年ドラフト組は、下位指名選手のほうがブレイクしている事実がある。先発タイプなら横浜DeNAのドラ4右腕・京山将弥だ。

 過去3シーズンで28試合登板中25試合に先発し、8勝13敗を挙げている。特にプロ2年目は開幕1軍入りを果たすと、開幕カード第3戦で先発投手としてデビュー。5回1失点の好投で見事にプロ初勝利を飾った。シーズンでも6勝をマーク。今季も開幕1軍入りを果たし、貴重な先発ローテーションの一角を担うこととなる。

 救援投手ならまずは東京ヤクルトの梅野雄吾だ。ドラ3で入団した右腕はプロ1年目の17年8月9日の試合に初登板初先発し、セ・リーグ高卒新人選手の中で最速の1軍デビューを飾った。その後は主にリリーフ起用され、昨シーズンまでで141試合に登板し10勝8敗、4セーブ50ホールドを記録している。特に過去2シーズンは完全に勝ちパターン組であった。今季は開幕1軍を逃したが、貴重な戦力だけに、早期の1軍合流が望まれる。

 福岡ソフトバンクに育成ドラ2で入団し、19年オフに東京ヤクルトに移籍した左腕の長谷川宙輝にも注目だ。昨シーズンにプロ入り後初めて待望の開幕1軍入りを果たし、“勝利の方程式”を担うリリーフ要員として活躍した。チームの左投手としては最多となる44試合に登板し、1勝2敗7ホールドを記録。今季も開幕1軍入りした。投手力に不安の残るチームにあって、今季もフル回転が期待される。

 勝ちパターンといえば、中日ドラゴンズのドラ5右腕・藤嶋健人も、勝ちパターンを担っている。プロ2年目に1軍初登板を果たすと過去3シーズンで77試合に登板。4勝3敗1セーブ17ホールド、防御率3.44という数字を残している。

 特に19年は21登板試合連続無失点を記録し、14ホールドを挙げたほど。ただ、利き腕の右手に血行障害を抱えているので、あまり無理はさせられないところだ。

 読売のドラ6左腕・大江竜聖はプロ1年目からの3年間で1軍登板は19年の8試合のみだった。ところが昨シーズン開幕前、サイドスローに転向したことで大きく飛躍。救援陣の中でも主にワンポイントリリーフとしてフル回転の活躍をみせた。43試合に登板して3勝0敗9ホールド、防御率3.11をマークし、ブレイクを果たした。

 広島のドラ5右腕・アドゥワ誠はプロ2年目に開幕1軍入りを果たし、中継ぎとして53試合に登板を果たした。19年も19試合に登板して通算成績は9勝7敗5ホールドと健闘している。だが、昨シーズンは右ヒジを故障し、手術したため、3年ぶりに1軍登板がなかった。今季はケガからの完全復活がテーマとなる。

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