13日最終回「その女、ジルバ」、草笛光子さんが語る 「私は私生活でも“くじら”」

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

「その女、ジルバ」(東海テレビ・フジテレビ系、土曜午後11時40分)は、今期話題のドラマの一つだ。初回視聴率は同時間枠の「オトナの土ドラ」シリーズで最高となる6・3%(関東地区・世帯視聴率)を記録した。

 主人公は、自宅と勤務先の往復を繰り返す日々に、虚しさと諦めを感じていた40歳の独身女性、笛吹新(池脇千鶴)。ホステスの条件“40歳未満お断り”の熟女バーでアルバイトをはじめたことで、生きる希望を取り戻していくという再生の物語である。

 池脇千鶴の怪演をはじめ、「女はシジュ―(四十)から!」などの名文句、「BAR OLD JACK&ROSE」を盛り立てるホステスたちの明るさ、視聴者を飽きさせない物語の展開などが、高く評価されているのだ。

 草笛光子演じるくじらママの存在感も好評だ。SNS上では、“舞台のような演出と草笛さんの迫真の演技に泣いた”“草笛さん本当にすてき。日本にあんな87歳がいることが誇り”“あの美しさは驚異的”といった絶賛の声が寄せられている。

 草笛さんに感想を聞いてみると、こう答えた。

「私世間の評判はわからないんです。スマホもやっていませんしね。視聴率も気にしません。ただ視聴率がよかったと皆さん喜んでるから、そうなんですかってだけね(笑)。(共演者やスタッフの)皆さんとても喜んでますから、その姿を見るのは嬉しいですよ。それにあの作品を選べたこと自体が、私にとっては嬉しいんです」

“草笛さんってくじらだね”

 ドラマの中でのくじらママは、店のホステスたちを“家族”と呼び、温かく見守りながら、時に励まし、時に助け、彼女たちに危機が訪れると毅然と立ち向かう。草笛さんの視聴率を気にしない泰然とした姿勢は、腹の据わったくじらママと重なるが、こんなエピソードも披露してくれた。

「私はもう十数年、左手だけでピアノを弾くピアニストの館野泉さんと、朗読会をやっているんです。ある時、館野さんに“草笛さんってくじらだね”って言われていたんですよ。私は“やだやだ、あんな大きいのが私ですか?”って言ってたんですけどね。そう言われてから2、3年経って、このくじらママの役が来たので私びっくりしたんですよ。私くじらに見えるのかな? って」

 草笛さんをくじらと評した館野氏の真意はというと、

「“なんで私がくじら?”って聞いたら、“大海原をまっすぐ、曲がらないで悠然と悠然と泳いでる”って。“しょうがないわね、じゃあくじらって呼んでいいわ”なんて言ってたんです。その後、くじらママって役が来たから、なんでここで繋がるの? って驚いたんですよ。今くじらママって言われてますけど、本当にくじらになっちゃった(笑)。なんかもっと違う可愛らしい動物に言ってくれればいいのにって、その時は思ってたんですけどね」

 くじらママ役を引き受けた理由は、ほかにもある。

「“40歳未満お断り”というのが面白いなと思って。40、50、60と、ある年齢になった年の女ばかりというのが私にひっかかったんです。人生でいろんなことを経験してきた女性ばかりで、そこに来る男性は一体何を望んでくるのだろう、面白がっていらっしゃるのはどういう理由だろうと思って。それでやってみようと思ったんです」

次ページ:87歳、「いつさよならするかわかりません」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。