武器使用が可能になった中国公船に、26時間追い掛け回された石垣島“漁師”の怒り

国際 中国 2021年2月26日掲載

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 2月1日、中国海警局に武器使用を容認する「海警法」が施行された。2週間後の15日、石垣市議で漁師の仲間均氏(71)が漁船「鶴丸」に乗船、尖閣諸島周辺へ向け出漁した。目的の海域に到着すると、2隻の中国公船「海警」が待ち構えていた。その後26時間にわたって追尾された際の様子を仲間氏が語った。

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 尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国公船は海警局に所属している。海警局は日本の海上保安庁にあたる組織だったが、2018年には軍の指揮下に組み込まれた。さらに今回の海警法により、主権を侵害した外国船に対して武器の使用を含むあらゆる措置が行えるようになった。公船とは言うものの、実態は“第2海軍”のようなものである。

「2月15日の朝5時、尖閣周辺へ向けて石垣島を出港しました」

 と語るのは、仲間市議。「尖閣諸島を守る会」の代表世話人も務める同氏は、1995年以来尖閣諸島に16回上陸している。

 鶴丸には、仲間氏と高江洲(たかえす)正一船長の2人が乗船した。石垣島から尖閣諸島まで約160キロあるという。

「尖閣諸島の南小島と北小島の南側に着いたのは、午後12時20分でした。すると、中国の『海警1301』と『海警2502』の2隻が、我々を待ち構えていました。なぜ、すでに2隻がいたのかよく分かりません。レーダーで捕捉したのか、あるいは、何者かが海警局に連絡したのか」(同)

尖閣諸島は好漁場

 2隻の海警は、すぐに鶴丸を挟むようにして追尾を始めたという。ちなみに海警は5000トン級(2502)の大型船で、鶴丸は9・1トンの小さな漁船である。

「以前、海警に追尾された時は、甲板の上には乗組員がいて、こちらを監視していました。それでよく彼らの写真を撮ったのですが、昨年12月26日に尖閣周辺へ漁に行った時は、海警の甲板には乗組員が1人も出ていませんでした。この日も、甲板には乗組員は全く見当たりませんでした」(同)

 鶴丸が停止すると、海警も止まる。鶴丸が動き出すと、海警も追尾を始める……。こんなことが何度も繰り返されたという。

 中国公船が初めて尖閣諸島の領海侵入を行ったのは2008年。2012年、日本政府が魚釣島と南小島、北小島の3島を埼玉の地権者から20億5000万円で購入。国有化すると、頻繁に領海侵入を行うようになった。

「初めのうちは、領海侵入してもすぐに出て行きましたが、今は領海侵入したままで何時間も居座っています。そして、昨年から我々が乗る漁船を追尾するケースが増えてきましたね」

 そもそも、尖閣諸島周辺は好漁場である。

「アカマチ(ハマダイ)やアーラミーバイ(ヤイトハタ)などがよく釣れます。でも、漁を始めると、海警が接近してきて邪魔をする。海警はジェットエンジンを搭載しているから音がうるさく、接近されると魚が逃げて漁にならないんです」

 海警に40~50メートルの距離まで接近されたこともあった。

「海警があまり近くに接近すると、海保の巡視船2隻が海警と鶴丸の間に入ってきて、守ってくれます。尖閣諸島で漁をする漁船は、我々を含め計10隻ほどです。尖閣周辺には、海警が4隻、海保の巡視船は14隻いてパトロールしています。海警の別の2隻は、他の日本の漁船を追っていたそうです」

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